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第4章 真拠

第4章 真拠


第1話 真の命鎮へ


 時は、2027年。


 シクマ達の報告を聞いた皆は、真の命鎮へ向かう事を決めた。

八幡平の集落の人々は、命鎮に集まった。

八幡平の拠点は捨てた。


 科学者達は、吸収型核融合炉を改良型の放射能全吸収型とした。

「主は核融合である。小さな太陽である」

「それに、α線、β線、γ線を加速補助として用いた」

「太陽光は、放射線を除去し、人々に注がれた」

他の放射線や微粒子は、未知のものが多かった。

日本の総発電量を、1JEとした時、彼らは32JEの発電量を得ていた。


電磁バリアは、改良され『ウェイブ・フィールド』と名づけられた。

特徴は、一点集中攻撃を回避できた。

攻撃を分散し、攻撃を緩和できた。

ウェイブ・フィールドは、電力量によって強度、範囲が決まる。


 これで、防御は、万全のはずだ。


 異なる欠片の日本での勢力は、大きなものでもなさそうだ。

本拠は、中国にあるらしい。


 真の命鎮の調査と、そこへの移転を急いだ。


 彼らは、西へと向かった。



第2話 生活


 結界内の人々は、安寧に暮らした。


 ミチヤ達は、人類の営みには干渉しない。

社会を構成していくのは人類だ。

この結界内の人類には、外交はない。

異なる欠片との闘いは、ミチヤ達が行なう。


 唯一、巫女達の加護を受ける。

ユキムによる『浄化の雪』・・・人から支配欲と物質欲を取り除いた。

ヒサラによる『同期の糊』・・・命、精神、肉体のバランスを保った。

シベルによる『希望の雨』・・・希望を持つ心を宿した。

ユンサによる『慈愛の露』・・・無償の愛を宿した。

肉体的に致命度が高い者は、ニシラの『治癒の水』で治療した。


 科学者達の元に、助手を望むものが集まった。

あるものは、文献を興し。

あるものは、知識の学びに没頭した。

教育制度も確立されつつあった。


 人類にも死が訪れる。

何処に人類の命が還るのか?

未だ解らなかった。



第3話 役割


 最大の課題は、真の命鎮だ。

調査隊を送る事にした。

リーダーをミチヤとし、メンバーは

リンカ

ケイト

ニシラ

ムカラ

モシン

ミサラ


 中国地方には、カクトをリーダーとして制圧が行われた。

 四国地方には、タンザをリーダーとして制圧が行われた。

 九州地方には、モーラをリーダーとして制圧が行われた。


 自衛隊、行政機関を中心に暗示能力を主力武器として、

撹乱を起こし制圧して行った。

実行部隊は、各集落から集まったもの達だ。

彼らは、血を流す事を嫌った。


 結界者は制圧した場所へ、結界を張った。

巫女達は制圧した場所へ、それぞれの能力で混乱を鎮めた。

科学者はそれぞれの研究を行なった。

他の者達は、発電所を初めとした施設の建設を行なった。

人類は、次々と拡がる結界の自治運営にかかった。


 さしたる抵抗もなく制圧は進んだ。

不気味なほど進攻は進んだ。


 この時、異なる欠片は各地から能力者を東京に招集していた。



第4話 精神


 ネントは、ある仮説を立てていた。

それは、『命』・『精神』・『肉体』の仕組みについてだった。


『命の仕組み』(仮説)


 『命』は、原動力である。

生命体の全ての行動の源は、『命』から発せられる。

行動の起点は、『命』にある。

『命』そのものは、直接物質世界に影響を及ぼす事は出来ない。

物質世界に降りた『命』は、精神を紡ぎ、肉体を宿す。


 『精神』は、命から紡ぎだされたものである。

紡ぎ出されれば『命』と『精神』は、分離可能である。

『精神』には、意識、心、知識、僅かな記憶が与えられる。

また、命から与えられた動力を維持する。

物質世界に影響を与える事も出来る。

『精神』の構成要素は、不明である。


 『肉体』は命が宿したものである。

『肉体』は物質世界で、構成物質とエネルギーを増殖する。

命から宿された時、これは完全に分離する。

『精神』が『命』と『肉体』の同一な事を意識する。

生命活動と呼ばれる肉体維持活動は、自立して行なわれる。

『精神』とのインターフェイスは、脳である。

感情の多くは、この脳が司る。

根源的な本性は精神の意識と心が持つ。


 最も根源的な意識は命が持つ。



第5話 真拠


 ミチヤ達は、沖縄についた。

しかし、ミサラによる結界探知能力でもその場所は、特定できなかった。

シクマ達から聞いた場所に行って見た。

彼らも、吸い込まれるようにその場所に着いた。

「祀られたもの」があった。


 ケイトは、地図の作製を行なった。

地図は、作れなかった。

この地の構造物は、未知の物質で作られていた。


 ミチヤ達が『真の命鎮』を探し出した事によって、

宝器は各地から主神殿に集められたようだ。


主神殿では、儀式が行われた。


ミチヤは、『命鎮の冠』を。

リンカは、『既視の晶』を。

ミサラは、『潜視の鐘』を。

ニシラは、『治癒の水』を。

ムカラは、『創造の粉』を。

モシンは、『禁領の靴』を。

ケイトは、『密許の窓』を。



第6話 社会


 次々と結界に取り込まれる地域の人々は、困惑した。

しかし、それは束の間の事だった。


 元から居た人々と、彼らの間に諍いは起きなかった。

人類は新しい社会の仕組みの構築に苦悩した。


 人は、基準を持たなければ生きていけない。

基準を持たないと、判断できないからだ。

社会の基準を何にするかで苦悩した。


 決定的なものが、不足していた。

人には、死が訪れる。

何のために生きるのか?

命は、何処へ還るのか?

命とは、そもそも何なのだろうか?


 結論はでなかった。



第7話 地図


 ケイトは、地図の作製を行なった。

『密許の窓』を得たことにより、空間把握能力を得た。

ここを構成する物質が何かは解らなかったが、地図はできた。


 リンカは、『既視の晶』を用いて地図を埋める作業をした。

主神殿「祀られたもの」は、この地のほぼ中央にあった。


 ユーラからメッセージが届いた。

ここでは、ユーラはメッセージを送るのが比較的簡単なようだ。

「結びの祭殿に向かいなさい」


 リンカは、いくつかの祭殿、神殿を探していった。

いくつかの箇所を辿るとユーラの声が更によく伝わった。


 「結びの祭殿」はユーラの意識と直結している。



第8話 進化


 リンカを残し、皆今の命鎮に戻った。


主神殿で儀式が行われた。


ユッカは、『絶対の軸』を。

マワクは、『掟鍵の杖』を。

シルクは、『創世の筒』を。

ドンガは、『回天の輪』を。

シンクは、『波動の紐』を。

ミスズは、『強制の縄』を。

クラサは、『無限の玉』を。

ランサは、『電極の箸』を。

テンエは、『放物の袋』を。

ナシギは、『絶句の台』を。

ジャムは、『軽率の桶』を。

サタリは、『回廊の糸』を。

ヤーナは、『複雑の木』を。

クランは、『星君の針』を。

ネントは、『活性の紬』を。


 前線で闘う欠片達を除き、皆第2の目覚めを得た。

能力は、経験により力を増すであろう。


 前線は、収束に向かいつつあった。

異なる欠片は、未だ何も仕掛けてこない。



第9話 神殿


 リンカは、主神殿を除く神殿を108探し当てた。

祭殿は、数え切れないほど存在した。

神殿と祭殿の違いは、リンカには解った。


 ユーラは、結びの祭殿で語った。

「今から1万数千年前、この地はムーと呼ばれた大陸の首都でした。

 異なる欠片の攻撃を受け、その大陸は消滅しました。

 今、太平洋と呼ばれる海域には、残骸が僅かながら残っています。

 ここのいくつかの祭殿には、その時闘った我の欠片がいくつか眠っています」


 リンカは、揺らぐ神殿を23発見した。

ほどなく、産声が聞こえた。

混血種族が呼ばれた。

この地には、ユーラの欠片を含む命以外は辿り着けない。


 時は、2028年。



第10話 制圧


 三重・和歌山・大阪以西は、制圧された。

全てに結界が張られ、ウエーブ・フィールドも稼動している。

この時、稼動している融合炉の総出力は、321JEある。


 時は、2029年。


 主神殿で儀式が行われた。


ミーサは、『渡光の眼』を。

ジセンは、『周響の耳』を。

アシツは、『一体の錘』を。

ヤットは、『柔重の板』を。

カクトは、『先覚の旗』を。

タンザは、『集成の笛』を。

モーラは、『収束の鞘』を。

ヤンクは、『重層の盾』を。

イフルは、『地車の棒』を。

ブルトは、『精巧の土』を。

ムサカは、『練工の塀』を。

ユキムは、『清廉の雪』を。

ヒサラは、『平衡の糊』を。

シベルは、『未来の雨』を。

ユンサは、『愛求の露』を。



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