第9章 悪魔
第9章 悪魔
第1話 ギザ
時は、2042年。
ミチヤは、極限発動装置の完成を待った。
そして、その時は来た。
再編成が行われた。
残留組は、科学者、探知能力者、念動力者の一部、巫女の一部、
テレポーターの一部、特殊能力者の一部、立案者の一部、裁定者の一部とした。
ナサリがそのリーダーとなった。
帰還隊のリーダーは、シクマとした。
トーヤ他数片が従った。
この隊の役割は悪魔を基の欠片に還す事だ。
魔女達は、その援護にまわった。
バチカンと連絡をとり、『聖徒』らも協力してくれるという。
バチカン近辺で陽動作戦をとってくれるという。
他のものは、ミチヤをリーダーとした主力複合体となった。
攻撃目標をギリシャとした。
彼らの現有能力で悪魔を駆逐できるだろうか?
科学者の更なる貢献に期待が集まった。
血を流さずに事は、収めたい。
目的は、異なる欠片達の帰還なのだ。
第2話 戦闘開始
ギリシャでバルバトスと遭遇した。
プルスラスと同格の悪魔だ。
シクマ複合体は撹乱を起こし、捕えたものを帰還させた。
ミチヤ複合体は、シラエも複合されているため容易には、解体されないだろう。
『滅銀の霜』の威力は絶大だった。
複合体がミチヤらを含めたため力が増強されている。
全てのデーモンが精神を消滅させられ、命のみの存在となった。
バルバトスも力を封じられ、逃げようとした。
精神離散銃が発射された。
精神離散銃の威力も上がっているようだ。
バルバトスも命のみの存在となった。
命だけでは、この物質世界に影響を及ぼす事はできない。
快進撃は続いた。
イタリアまで進み『聖徒』らと、合流した。
彼らは、バチカンの地底深くに潜んでいる。
そこに古からの蔵書や宝物があるという。
解読できない念紙もあるという。
ミチヤ達に見て貰いたいという。
第3話 バチカン
『聖徒』らの本拠に辿り着いた。
彼らには彼らの移動手段があるらしい。
ミチヤらは魔女達とテレポートした。
そこには、蔵書、宝物、念紙があった。
宝物を持って、聖徒、魔女らを神殿に連れて行った。
彼ら、彼女らは、第2の目覚めを通り越し、第3の目覚めまでいった。
精神エネルギーは増大し、異能力が現れた。
蔵書は、科学者達に転送した。
ミチヤに念紙を読む事は、できなかった。
シーレントが読めるようになっていた。
シーレントは読めるのだが、内容の理解はできなかった。
翻訳作業にかかった。
レンコの欠片達の中にも科学者がいた。
ダイバリオンについての記述があるようだ。
『D6』のキーワードを見つけた。
ダイバリオンと宇宙船の謎が解ける期待が持たれた。
ダイバリオンと宇宙船については、レンコの欠片達が適しているはずだった。
翻訳した中身と科学者は、命鎮に転送された。
第4話 進撃
レンコの欠片達は、ヨーロッパの各地で陽動作戦を行うという。
かれらに数丁の精神離散銃が贈られた。
ドイツに入ると間もなくサタナキアと遭遇した。
バルバトスは、中級クラスだが、サタナキアは、10指に入る上級悪魔だ。
『滅銀の霜』はデーモンを滅した。
そして帰還させた。
しかし、サタナキアは怯んだだけだった。
精神離散銃が発射された。
これは、効果をあげた。
サタナキアは逃げた。
捕まえる事は、できなかった。
フランス、イベリア半島と進撃した。
この間、多くの悪魔を帰還させた。
逃げたのは、アガリアレプト、ベルゼブブら上級悪魔だけだった。
北欧にも、転進した。
どうやら、敵は本拠地をイギリスに構えたようだ。
攻め込んで来る気配はない。
イギリスで決戦をする気らしい。
欠片達も現有勢力では、心元ない。
ダイバリオンの新しい成果が欲しい。
第5話 D1~D6
バチカンからの蔵書と翻訳書は、科学者達を驚喜させた。
数多くの理論、技術、情報が詰まっている。
今、彼らに必要なのはダイバリオンについてだ。
D1については、やはり不安定なものらしい。
だが、その可能性は未知らしい。
精神圧縮砲についての記述があった。
これは精神を圧縮させ、機能麻痺を起させる砲だった。
精神離散銃と逆の機能だが、威力は数十倍上のようだった。
D2は、精神同期をもたらすらしい。
我々と同じ結論だ。
D3は、精神増幅をもたらすらしい。
また、精神保護の効果も持っているらしい。
現有する精神を増幅させる効果があるようだ。
注意しなければならないのは、これの影響を受けた精神は、数日の
眠りについてしまうようだ。
D3の実験と『精神増幅装置』の開発が行われた。
D4は最も安定した状態になり、硬度と耐熱性が極めて高いようだ。
D5は反重力となる斥力を発生させるようだ。
D6は未知のエネルギーを発生させるようだ。
D4~D6の研究は、後回しとなった。
第6話 決戦
時は、2044年。
残留組は、前回の遠征と同じものが残った。
帰還隊も同じだ。
ミチヤをリーダーとした主力複合体は、極限発動装置、精神増幅装置を持った。
精神エネルギーの収束攻撃を最後の望みとした。
レンコの欠片達は、精神圧縮砲を携えて援護した。
『滅銀の霜』はデーモンを帰還させた。
サタナキア、アガリアレプト、ベルゼブブらの上級悪魔は怯んだだけだった。
主のルシファーには、さほどの影響を与えなかった。
ルシファー直属の上級悪魔に、レンコの欠片達は精神圧縮砲を浴びせた。
彼らは、機能を停止し、帰還隊により帰還された。
残るのは、ルシファーだけだ。
彼の精神エネルギーは上級悪魔全てを合わせたものを凌駕する。
精神圧縮砲でも怯む程度だ。
闘いは、ミチヤ複合体とルシファーの膠着状態に入った。
ミチヤは、決断を迫られた。
彼は極限状態の時、増幅装置を使いルシファーに攻撃を与えた。
ルシファーが防ぎきれば、ミチヤ達は壊滅だ。
ルシファーの精神は揺らぎ始めた。
じょじょに、精神は離散したり、圧縮していった。
突然辺りは、暗闇となった。
ルシファーが崩壊したのだ。
じょじょに暗闇は、光を取り戻し、漆黒の球だけが残った。
漆黒の球は、命だった。
漆黒に見えたのは錯覚かもしれない。
帰還隊により、それは帰還された。
ヨーロッパは、解放された。
第7話 アフリカ
アフリカは、人類発祥の地とされている。
幾多の異なる欠片の遺伝子操作の軌跡がみつかるかもしれない。
数か所から痕跡が見つかった。
それは、文献であったり、装置であった。
現在生存している人類の変遷の解明ができるかもしれない。
人類の命の種は、依然として解らない。
その命が紡ぐ精神の特徴も解らない。
肉体を構成する遺伝子の螺旋構造が突破口になるかもしれない。
ネントは、この研究に入った。
第8話 オーストラリア
この地は、異なる欠片達から干渉を受けた痕跡がない。
トーヤは、この地で新しき者を探し出した。
それは、妖精と精霊だった。
それらは、この地で他とは違う自然を進化させていた。
束ねる長の名は、ミントだった。
それらは、自然と共生していた。
そして、肉体を持たなかった。
不老不死の存在である。
それらは、他の地にも住んでいたが、異なる欠片を避けた。
この地だけに住むようになった。
それらは、自然に気を与え、その恵みを受け取っていた。
生き生きとした自然が独自の環境を作りあげていった。
しかし、400年くらい前から積極的に人類が移住してきて、
少しずつ暮らしにくくなっていた。
トーヤは、異なる欠片を駆除した地域にも移り住むように
ミントに懇願した。
ミントは、前向きに検討してくれる事を約束してくれた。
彼らは、自然を活性化し、大地に息吹を与える。
第9話 人工知能
バチカンからの蔵書と翻訳書には、判断言語の記述があった。
情報工学に応用できる。
ルクサとケシリは、人工知能の開発に取り組んだ。
判断言語は、高度で困難な判断を瞬時に行う事ができる。
危険の回避、自己解析、自己停止など幾多の判断を記述できる。
新しいプログラミングを自分自身で行う事もできる。
推測能力も記述できる。
彼らは、これを用いて次世代のハード、ソフトを構築していった。
多くの生活ロボットや産業ロボットがこれらに置き換わっていった。
人々の判断補助として、携帯端末も作られた。
巨大な情報分析脳の建設も始まった。
巨大なのは、容姿ではなく中身だ。
大きさは、8畳くらいのものだ。
これを第1世代人工知能『ルナ』と名付けた。
第10話 D4・5
D4は最も安定した状態になった。
硬度は、現在の技術では傷つける事も出来なかった。
これを細工する技術が開発されていた。
D1を用いるしか方法は、なさそうだった。
D1の共鳴をある特定の周波数、周期に合わせる。
そして、それを放射するとD4は崩壊した。
DFCでコーティングした。
D4Cが完成した。
耐熱性が極めて高い。
現有の熱では、溶解できなかった。
D5は反重力となる斥力を発生させるようだ。
これにD1の特定の共鳴を当てると、斥力の調整ができた。
斥力の調整機構を作成した。
これを「D5A装置」と呼ぶ事にした。
D4Cの内側にこれを裏コーティングすると、D4Cは、自由に
浮き沈みができた。
浮き沈みの調整は「D5A装置」で行う。
D4C、D5と「D5A装置」の実用化に向け、施設が建設されようとしていた。
時は、2045年。




