プロローグ
プロローグ
物質なのか?
非物質なのか?
命とは?
この物語は、それらを模索して行くものである。
命の欠片達は、模索の主人公である。
基は1つの命であったはずの『命の欠片』の、更なる欠片達。
彼らは、命の源を捜す。
彼らは、異なる欠片と闘う。
同じ欠片なのに何故争うのだろう?
物質と命の関係は?
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ユーラは、命の欠片だった。
何処へ還るのか?
還る事ができるのか?
彼女は、知らなかった。
いつの事だったのか?
彼女は自らの命を削り地上に放った。
地上には、彼女の知らない命達が生息している。
そのただ中に放った。
ユーラは、意識だけを持っていた。
悲しみに包れた意識だった。
放たれた欠片は、精神を紡ぎ、肉体を構成した。
彼女が持たないものを、彼らは持った。
彼女は、彼らを慈しんだ。
彼らの存在が彼女に喜びを産んだ。
宇宙には、無数の命の欠片が存在する。
ユーラもその1つだ。
いく度か異なる欠片が地球に立ち寄った。
そして地球を蹂躙していった。
彼らはいくたびかその欠片と闘った。
欠片と肉体に結界を張り、精神エネルギーのみで闘う。
精神エネルギーが尽きると、結界内の欠片と肉体は眠りにつく。
その種族は、彼らの末裔だった。
自分達の命の基がユーラである事は知っていた。
自分達が滅すればユーラの基へ還る事は知っていた。
彼らの姿形は、人と酷似していた。
外見からは、人との違いは判断できなかった。
今、地球上にその種族は点在している。
眠りについている欠片の守護者だ。
そして異なる欠片の一部が地上を支配している。
異なる欠片もいくつかの勢力を持っていた。
眠りについた欠片達が目覚め集結していく。
時は、2009年。