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四魔+デイズ  作者: 皐月二八
本編
4/23

プロローグ

 こんにちは、皐月二八です。

 連続一次創作作品投稿第一弾は、人外シスターズのヤンデレものです。


 世の中、どう転ぶかわかったものじゃない。

 正義のヒーローを目指していた奴が裁判所の被告人席に立つかもしれないし、バリバリの不良が警察官になるかもしれない。

 不特定多数の未来。人間っていうのは、身につけようと思えばどんな技術も、知識も身につけられる。現代日本は、まさにそんな世界だ。

 だから、どんな未来も選択肢の中には入る。実現可能かどうかは別として、だ。



「……だと思うんだけどなぁ」



 頭を掻いて、目の前に広がった書類のスカイツリーから、無造作に一枚抜く。そこには、日本語でも英語でもない、地球のモノとは思えない文字が、ビッシリと書かれていた。

 それも当然だ。地球の文字じゃないのだから。


 そして視線をずらすと、其処には如何にも高級そうな万年筆とインク。詰まる所、サイン用だ。

 この書類に書かれている内容は、僕のサインがなくば、そのまま“白紙”となる。

 言い換えれば、僕は其れにサインするかしないかの裁量権があるということで、つまりはそこそこ上の立場にいるわけで、まぁ、まどろっこしい言い方を抜きにしてさっさと言ってしまうと――――。



「まさか、魔王になるとはなぁ」



 高校時代、進路希望の欄に“外交官”と書いていた過去が懐かしい。

 そして、当時の自分に今の僕の姿を見せてやりたい。

 何故かって? 唯の八つ当たりだよ。 対象が過去の自分の時点で、八つ当たりなのかどうか妖しいけどさ。






 僕は、一応日本生まれの大学生だ。これでも、そこそこ有名な国立大に在学していた。

 名前は鎌浦かまうら 甲斐かい

 だけどまぁ、とある事故に巻き込まれて、そんでもって、気付いたら此処にいた。

 この、地球とは似ても似つかぬ世界に。


 其処には人間とは一味も二味も違った、魔力を持っている生命体。人型だけじゃなく、ゲームに出てくる怪物のような姿もした奴もいて、要するに、“魔物”がいた。

 そして此処は、その魔物の楽園。人間界とはまた違った世界。


 所謂、“魔界”に僕はいた。

 しかも、先代魔王の息子として。

 そして、その先代魔王、つまり僕の父親というわけだけど、すでに亡くなっている。

 中世の王族にありがちな、暗殺されたとか追放されたとか処刑されたとか、そんなドラマチックではた迷惑な死に方じゃなくて、ごくごくありふれた――――早い話が老衰で、だ。


 そして魔王は、後継ぎがいる限りは世襲制となっている。

 後継ぎがいない場合は、議会が多数決によって指名する。


 んで、先代魔王には後継ぎがいた。まぁ、僕のことだけど。

 よって、僕が魔王。第五〇代魔王、カイ=オルフィオ=フェディークスというわけだ。



「ん~……やっぱり、此処は開発しておくべきかな」


「どのように、ですか?」



 後ろから聞こえてきた声に、少し驚いて振り向く。

 其処には、三メートルはあろうかという長身の女性が立っていた。

 透き通るような蒼いロングヘアに、宝石の様な紫色の瞳。肌は、白磁のように白く、十分明るい室内でいっそう輝いて見える。

 白いヴェールで顔を覆い、綺麗な宝石が付いたイヤリングやネックレスをを付け、清潔感と高級感あふれる純白のローブを身に纏っている。

 女性らしさに溢れるスタイルは完璧で、贔屓目に見ても美女だ。日本だったら、グラビアアイドルやモデルにだって劣らないだろう。

 ただ、下半身が巨大な、薄い紫色の花弁で構成されている女性が、現代日本でグラビアアイドルやモデルとして大成できれば、の話だけれども。



「ん、ほら、あそこは元々人間界だったし、魔界領となって間もないでしょ? だから、やっぱり入植から始めないとなぁ…………」


「成程、有象無象の屑……愚民どもを汚泥の底に放り捨てるのですね。流石はお兄様です、見事な采配ですわ」



 腕を組んで、大きく首肯する一番上の(・・・・)妹を流し目で見て、僕ははぁ、とため息をつく。



「お兄様? 如何なさったのですか? 肩を御揉みしましょうか? 嗚呼、お兄様が頭を痛めていらっしゃるなんて…………嘆かわしいですわ。このような理不尽などあってはなりません。

 では、その悩みのタネを私が潰し――――」


「あぁ、あぁ、いーから……」



 軽く手をあげ、彼女のマシンガン・トークの銃口を塞ぐ。

 まったく、如何してこう、僕の妹たち(・・)は揃いも揃って極端というか、過激というか……何て言うんだ? アレは。


……あ。



「あ、ところでアルム」


「はい、お兄様」


「他の妹たちは?」


「あの三人ですか? エルフィアとシラウは城内を、ヒノは城下町に出ていますわ」


「……何で?」


「勿論、お兄様の邪魔となる屑をこr――――」


「呼び戻せぇえええ!!」






……魔王の執務なんかより、妹の手綱を握る方が大変だよ、全く。







 此れから本格運転でやっていきます。

 宜しければ、見てやってください。


 御意見御感想宜しくお願いします。

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