魔界/魔物編
設定集魔界編です。
・魔界
世界の三分の二、世界六大陸のうち五つの大陸とネメア大陸の西部・中部を領有している巨大国家。“魔海嘯”後、勢力圏が現段階にまで広がった。王都グランガゼア。人間界の最古の国よりも二〇〇〇年ほど早く誕生し、それ以降、ずっと続いている国家。国民の九割以上が魔物であり、少数ながら人間も生活している。人口・技術などが人間界と比べ遥かに優れている。魔界全体が一つの絶対君主制国家となっている。しかし、民衆から選出された議員が立法権を持つ議会に属しているなど、ある程度は民主化している。絶対君主制と立憲君主制の中間のような政治体制を取っている。広大ゆえに様々な言語があるが、公用語(統一魔界語など)が全域で通じるため、問題はない。魔王(魔界王立政府)の下に六つの大陸政府、そしてそのさらに下に州政府がある。州政府や大陸政府には、ある程度の自治権が与えられている。また、世界最強と言われる魔界王立軍(魔王軍)を有する。ちなみに、平時の治安維持は保安省下の魔界警察が行っている。国旗は“漆黒の太陽と翼”。
●魔界の地理
・ゼイクードハイヒ大陸
魔界発祥の地であり、此の世に魔物が誕生した最初の大陸と言われる。天然魔力素(自然魔力)が他の大陸と比べ物にならない程潤沢で、それ故に魔物や魔法を使う者にとっては居心地の良い場所となっている。その反面、魔力素を取り込んだ凶悪な獣(魔獣・海獣)や、巨大な自然災害なども発生する。但し、災害自体は然程多くない。魔法資源も盛んで、世界で二番目に大きな大陸であり、高緯度から低緯度まで細長く広がっている。そのため、北部と南部では気候の差が激しい。が、寒冷地方は北端部の一部のみで、基本的には温暖。有史以来の魔界領であり、尚且つ魔鉱脈などの魔法資源の宝庫であるため、ここを占領するのが人間界の目的となっていた。なお、ゼイクードハイヒは太古魔界語で「始原の地」という意味である。
・王都グランガゼア
三〇〇年前より魔界の首都、即ち王都となった要塞都市。現在、魔界の政治の中心地となっている。ゼイクードハイヒ大陸南部に存在する。湾岸都市でもあり、海軍施設と貿易港が発展している。巨大な環状の都市であり、一七の行政区にわかれている。都市全体を囲むようにして高さ四〇メートルの壁が三重に渡り建てられており、敵軍や魔獣の侵攻に備えて無数の高射砲と機銃、そして八門の四〇口径三六センチ要塞砲が設置されている。また、結界装置も一六箇所に設置されている。
・魔王城
正式名称ノイエルバレシュテイン城だが、魔王城という呼び名の方が有名である。王都のほぼ中心に位置し、魔王城自体が一つの都市のようになっている。周辺には各省庁の施設や政府・軍の施設が存在している。王都の遷都と共に建設が開始され、三〇〇年前の王都完成と同時に竣工した。現状、世界で最大規模の城であり、軍団規模の兵力が駐屯できる。見た目も荘厳かつ優美で、王都湾からちょうど美しい全容が視認できることから、“海守の城”とも言われている。
・王都湾
旧称、ノルトキール湾。グランガゼアに遷都した際に現在名に改称した。一日に数え切れぬほどの物資が揚陸、他都市から運び込まれ、魔界の経済上欠かす事が出来ない貿易港であり、王都の安全保障に大きく貢献している軍港でもある。海獣や敵軍の襲来に備え、要塞が構築され、守備隊が駐屯している。飛行艇・水上機基地も存在する。付近には海中都市もいくつか存在している。
・ネメア大陸
北極に近く、大陸の四割が永久凍土という極寒の大陸であると同時に、世界最大の大陸でもある。長年人間界と魔界が領有をめぐって争ってきた地であり、現在は西部・中部が魔界領となっている。現在、魔界と人間界の界境線が地上で引かれている唯一の大陸であり、魔界領に全土が組み込まれていない唯一の大陸でもある。気候条件が厳しいためか、広大な面積の割には魔物・人間の数が多くない。ネメアは古来魔界語で「閉鎖」という意味で、此れは常に周囲を流氷が覆っており、砕氷せねば近付くことも困難なため。
・オラヌス湖
ネメア大陸魔界領にある世界最大の淡水湖。資源としては勿論のこと、飛行艇や水上機の運用も可能であり、ネメア大陸における重要拠点の一つである。付近にオランデ・ルアートなどの様々な村がある。独自の生態系を持ち、研究しに尋ねる者も多い。景観もよいため、観光スポットにもなっている。
・串刺し森
魔界側の界境線に魔法によってつくられた森。界境線を可視化させるほか、魔法で制御できるため防衛線としての役割もある。上空から見ると、まるで大陸を串刺しにしているように広がっているように見えることから、此の名がついた。
・セレイド島
赤道から南、ゼイクードハイヒ大陸・ネメア大陸・ミドウィナ国に挟まれた形にある。魔界の海上交易上の要地であり、周囲に海賊や海獣が出没するため、要塞化が進められている。“魔海嘯”後、魔界領となった。嘗てはカタルナ国という国が支配していたが、“魔海嘯”で滅亡。
●魔物
・魔物
人間を除く生命体のうち、高度な知能を持ちある程度ヒト型に近い存在。人類が誕生するより早く、ゼイクードハイヒ大陸にて誕生したといわれる。様々な種に分かれるが、種ごとにコミュニティーがあるわけではなく(水魔種を除く)、魔界全土(及び人間界の一部)で生活している。魔物は人間のように子供を産むが、誰がどの種を生むかは現在のところ法則がなく(従って、どの種がどの種を生んでもおかしくはない)、そのため、各種間の対立なども起こらない。が、人口的には魔人種が多い。此れは、魔人種が誕生する比率が高いためだが、その理由自体も現在では不明である。魔物は総じて人間より寿命が長く、身体能力や保有する魔力も大きい。が、種族によりバラつきがある。高度な知能があり、言語を理解しているという点で、魔獣や海獣とは区別される。また、種の中でもさらに区分されることがあり、要するに個体によってかなりの差がある。それ故、魔物の間には外見や能力で他者を差別するという風潮そのものがなく、しかしその考えは魔物間限定のため、中には人間に強烈な差別意識を持つ者もいる。が、現在ではかなり少数派である。
●魔物の種
☆魔人種
魔物の内最も数が多く、魔界人口の約七割を占める。見た目は人間と大差ないが、人間ではなり得ないような髪・瞳・肌の色を持つことがある。しかし、生命力や魔力・身体能力などは人間とは比較にならない。が、魔物の種の中では高い方でもない。平均寿命は七〇〇歳前後。
☆花妖種
植物型の魔物。殆どの場合、身体の一部分が植物となっている事が多い。一般的に魔人種と比べ生命力や魔力が大きいが、炎魔法や火炎兵器に対する耐性が弱い事が多い。植物と繋がりを持ち、植物を操れたり植物の声を聞き取ることができる。平均寿命は五〇〇~一〇〇〇歳前後。一般的に花妖種は女性が多く、男性の花妖種は滅多にいない。
・アルラウネ
下半身が巨大な花弁となっている魔物。根や浮遊魔法などで移動する。花妖種の女性が此の魔物になることが多い。様々な触手を創りだし、操るほか、植物と繋がる・甘い香りで他者を幻惑するなどの様々な能力を持っている。
☆魔蛇種
身体の一部が蛇となっている魔物。殆どの者が下半身が蛇の足となっているが、中には腕が蛇の頭となっている者なども存在する。何故か魔蛇種は九割以上が女性であり、男性の魔蛇種は途轍もなく数が少ない。魔物の種類の中ではもっとも魔力が高く、魔法運用や魔法技術開発に長けた者が多い。平均寿命は七〇〇~一〇〇〇歳前後。大抵の魔蛇種は蛇の特徴を持つからか、寒冷地を苦手とする。そして寒冷地では魔蛇種の子供は生まれにくい。
・ ラミア(蛇女)
下半身がが蛇の足となっている女性型の魔蛇種。魔蛇種の七割近くがこのラミアである。蛇の足は大体二メートル前後。魔力が魔物の中でもかなり高い。また、生命力も高く、身体が千切れたりしても即座に再生する程である。年をとればとる程、髪や瞳、蛇体が白くなり、“白蛇”は老ラミアの代名詞となっている。
・ヒュドラ(水蛇)
魔蛇種の希少種。殆どの特徴はラミアに通ずるが、最大の特徴は身体が常に濡れていることと水気があること、そして水魔法の扱いに長けていること。水魔種と異なり、基本は陸上生活である。が、実質無限の水中活動が可能であり、遊泳速度も速い。蛇体や肌、髪や瞳が、淡白な色をしていることが多い。
☆精霊種
見た目は魔人種と大差ないが、魔力が少ない代償として、其々決まった「自然の力」を操ることができる種。自身の周囲にまるで土星の環のようなものがあり、其れを軌道にしてくるくる廻っている色のついた球体があるのが特徴。例えば、炎を操れる者は紅い球体を持っている。唯一の例外シラウを除き、一人の精霊種が操れる「自然の力」は最大でも三つ。魔人種以外は数が少ないのが他の種だが、精霊種はその中でもさらに稀少である。平均寿命は八〇〇歳前後。「自然の力」を操ることで災害を防ぐことすら可能であり、大抵の精霊種は「災害防護員」として働いている。
☆魔鳥種
身体に鳥の特徴を持つ魔物で、大抵の場合は背中に鳥の翼を生やした魔物を差す。何故か男性が多く、女性の魔鳥種はかなり少ない。飛行魔法や飛行機や飛龍などを使わずに空を飛べ、そのため軍の偵察任務や輸送任務では重宝される。民間でも、郵便配達人や宅配便の者は大抵魔鳥種である。特に、音速で飛行できる上位の魔鳥種は、官民共に“音速便”の職員として重宝される。平均寿命は五〇〇~九〇〇歳前後。
・フェーニクス(不死鳥)
魔鳥種の中の最上位種であり、最も希少。巨大な炎の翼を持ち、あらゆる魔鳥種よりも速く空を飛ぶことができ、加えて炎の化身でもあり、強力な炎魔法を扱ったりできる。さらに生命力が途轍もなく高く、「寿命以外では死なない」とすら言われている(不老ではない)。
☆不定種
身体がスライムとなっている種。文字通り不定であり、身体を伸ばしたり分裂させたりできる。身体に水分を多く含むため、常に水分の補給を欠かすことができない。打撃や斬撃などはほぼ無効化できるが、反対に魔法に対する抵抗力が他種と比べると劣る。平均寿命は五〇〇歳前後。
☆幽鬼種
所謂アンデッド。但し、産まれた直後から此の種なので別に死体がなるわけでもない。生命力が途轍もなく高く、再生力も高い者が多い。但し、一部の例外を除いて保有魔法は全種の内もっとも低い(あくまでアベレージの話である)。その代わり、純粋な力(腕力など)ならあらゆる種よりも高いといわれている。全体的に、炎魔法への耐性が低い者が多い。平均寿命は一〇〇〇歳前後。
・デュラハーン(首無し人間)
幽鬼種の中では然程多くないが、男女比は普通。首と胴がくっついておらず、首がない状態で胴だけを動かす事が可能。また、幽鬼種の中でもとりわけ生命力と力に長けている(その代わり、魔法の才能は絶無に等しい)ので、突撃兵や騎士などで活躍することが多い。それゆえか、人間界では「デュラハーン=騎士」というイメージが強い。因みに首と胴が離れても、あまりに距離がありすぎると操作不可能となる。
・ノーライフ・キング(神祖)
幽鬼種の中でも上位種であるヴァンパイア(吸血鬼)の中でもさらに最上位種であり、「究極のヴァンパイア」とも呼ばれる。純粋な力、そして魔力共に極めて高く、潜在能力もあらゆる魔物の中で最強に近い程である。何故かノーライフ・キングは皆白髪であり、「白髪のヴァンパイア=ノーライフ・キング」というイメージがある。勿論、例外もいる。因みにヴァンパイアは血を吸うが、血しか吸わないわけではなく、あくまで血を吸うのが成長する最も手っ取り早い手段なだけである。
☆妖獣種
獣の特徴を持つ種。特に獣の耳や爪を持つ者が多い。魔物の中では、魔人種の次に数が多い種である。耳だけ獣の者もいれば、下半身全体が獣という者もいる。身体能力が魔人種と比べて優れ、その代わり保有魔力が少ない者が多い。平均寿命は五〇〇~七〇〇歳前後。
☆怪蟲種
蟲の特徴を持つ種。特に蟲の翅を持つ者が多い。何故か男性が多く、女性の怪蟲種は数が少ない。また、魔物全体を見渡しても、精霊種よりは多いがそれでもかなりマイノリティである。種によっては魔鳥の上位種のように音速で飛行できる者や、幽鬼種以上に力が強い者なども存在する。平均寿命は六〇〇歳前後。
逐次追加予定です。