化けてましたね女ー前編ー
お母さんは溜息をつきながら、鞄の中から変なパンフレットを取り出した。
「なんじゃありゃ」
輪がわけわかんない、という風に言う。
私達はお母さんに近寄って、そのパンフレットを覗き込んだ。
「あなたの不幸を幸せに変えます・・・?」
「これ、ぜっっっったい胡散臭いよ」
あ、そっか。
私が死んだから、こんなうそ臭い話にも乗っちゃったんだ、お母さん。
だからこんな・・・って!
「は?!」
「え?なに?」
「これって・・・月会費?!」
そこには、一ヶ月3万・入会費200万の文字が。
「コレは流石に・・・」
「でもさ、それくらい静枝のこと大事にしてるんだよ」
む・・・確かに。
「でもさ、静枝だけじゃないみたいだね」
「え?どういうこと?」
輪が教えてくれた方向を見ると、そこには。
「雄三さん、今日はどうするの?」
「すまない、今日は無理なんだ」
「そう・・・」
見た目はお偉いさんと秘書。
けど、私の女の感は甘くない。
「デキてるね」
「右に同じ」
くっそ・・・。
お父さんまじありえないし!
娘が死んでんのに!
怒っている私を他所に、2人は別れた。
私は女を追う事にした(何かでっちあげてやる!)。
女は人通りの少ない路地に入ると、どこかに電話した。
「司祭様、コ・ミナです」
はい?
司祭様?コ・ミナ?
「はい、佐伯雄三との不倫現場は佐伯晴海に見せています」
は?
見せた?
「はい・・・200万を払うのも時間の問題かと」
200万?
コイツ、もしかして・・・!!!
「かしこまりました。
あなただけを尊敬しております・・・では、失礼いたします。
ガルタ・ガルタ」
ガルタ・ガルタって・・・。
お母さんがさっき見ていたパンフレットの!!
やっぱ悪徳宗教・・・!!
「静枝?」
「ふっふっふ・・・」