何してんの兄ー前編ー
「はぁ」
本日8回目の溜息。
理由が何だって?
決まってるでしょ!
2つは簡単に見つけられたけど3つ目が・・・。
ミーツーカーラーナーイー!!
もう2日と7時間が経ってる・・・約。
「はぁ」
「静枝ー」
「なーに?」
「溜息つきすぎ。
僕の幸せまで逃げちゃうよ」
「そんなこと言わないでサー」
「はぁ」
「あ!人になんだかんだ言っておきながら、」
「あぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
キタァァァァァっっ!!
もうお約束だしね。
輪の視線の先には・・・。
「竜太~!!」
甘えた声が聞こえた。
「春香、今日は早いな!」
「竜太もじゃ~ん!!」
えー・・・。
「今回のターゲットは竜太だよ!」
「それもお約束」
お姉ちゃん、綾ときて・・・次はお兄ちゃんかよ。
てゆーかっ!
「誰よあの女!!」
「へ?静枝知らないの?」
「知らないよ!」
「あー・・・。
僕の情報によると、あれは竜太の彼女だよ」
「それ勘でしょ!お兄ちゃんの彼女は雪美さんだもん」
雪美さん。
その名の通り、雪のように綺麗な人。
白くて透明感があって綺麗な肌。
漆黒の枝毛のない髪。
細長い手足。
優しげな瞳。
笑うと可愛らしい笑窪ができる。
その妖艶な美しさといったら・・・。
おまけに性格も最高。
料理が得意で、しっかりした真面目さん。
「・・・-ということで。
あの人はお兄ちゃんの彼女じゃあっりませ~ん!」
「それはどうかな?」
「は?」
春香とかいう女が気味悪くお兄ちゃんに擦り寄る。
「竜太~雪美はどうした?」
ぬぬぬ。
「あー・・・。
別れた!綺麗さっぱり」
「そっかー♪」
はぁぁぁぁぁ???
「ほら」
「・・・・」
なんでやねん!