表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/32

26



「告白、されてたね」


教室で隣に座った蒼井くんに言うと蒼井くんは眉を下げてへらりと笑った。




「あれは、ほら。ね?」

「ん? 何? どういうこと?」

「んー。でもほら。あの子が好きなのは僕の顔だから。僕、嫌いなんだ、この顔」



いつもと雰囲気の変わった蒼井くんは本当に嫌悪しているみたいだった。



「目立ちたくないのに、目立つし。それにほら、中身を知ってもらいたいんだよ」

「ふぅん。ならそういう子、いるんだ?」

「まぁね。っていうか有希チャンは知ってるだろ……って、え?」



松井さんが話に入ってきたのに気が付く訳でもなく蒼井くんはすんなりと返事をした。



「その子は、蒼井くんの中身を知ってるの?」

「た、たぶん?」



松井さんの何とも表現のしにくい迫力に押されて蒼井くんは困ったように返事をしてちらちらと私を見ては助けを求めた。



「今、私が話してるんだけど」



いらだったような松井さんにしては珍しく声を荒げて、そしてガタリと席を立つと蒼井くんの両頬を両手で包んだ。


え、と周囲の注目を浴びる中、松井さんは何の躊躇もなく蒼井くんに唇を押し付けた。



「え」



思わず声を漏らしてしまったのは仕方ないだろう。

周囲のクラスメイトも驚いたような表情を浮かべていた。

いつもの余裕綽々は消えて

え、え、え!? と繰り返しいう蒼井くんに松井さんは強気な視線を投げた。



「こういう事なんだけど」

「な、なんで」

「文句ある?」

「いや、ない、けど……?」

「わかんない?」

「あ、いや……」

「女の子のファーストキスもらったんだから嬉しく思いなさい」

「いや、僕もふぁーすと……ってあぁぁ!」

「好きだから」




あっさりと言う松井さんはテンパっている蒼井くんを見ていつものペースになったのかにやりと笑った。



「そんな風にテンパるところとかね。見た目なんかじゃない。後悔なんてさせない。一緒にいると私が幸せになる。蒼井くんの好きな子に勝てるとは思わないけど。彼女にして」



言い切ると強気な視線を向けた。でもそんな松井さんの手は震えていた。なんだかそんな松井さんの姿がやけにかっこよかった。

蒼井くんの好きな人は松井さんだってことは、松井さんは知らない事実。ただ、松井さんに告白されたことで頭が真っ白になっている様子をみて、松井さんは今までに見たことのないような恋する女の子の顔して笑った。



「顔より、何より、蒼井くんの性格がかわいいのよねぇ」



そんな言葉が何だか微笑ましくて私にも笑顔が浮かんだ。


女の子の強気な態度が書きたかった。

好きなのに素直になれないという松井さん。

実は有希と蒼井が話しているのにもやきもきしたり……という裏話。

ポーカーフェイスを装いながら内心ひやひや。

有希との仲を本気で疑っていた時期も……。


と、いうww

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ