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賢治が疲れたら休む場所があるから、そう言うと下心が生まれそうで言えなかったけども、確かに軽くなった。


少しだけ軽くなった心を見透かしたように蒼井くんは笑った。




「よかったね、有希チャン」


優しく笑う蒼井くんに、うんと頷きながらリゾットを食べようとした。


するとスプーンにすくったリゾットを無理矢理に自分の口に入れた。



「え! な!! ちょっ!!」


「お、うまーい」





蒼井くんはこれうまい、と言って笑った。


「何してんの!?」


「え、食ってんの」


「はぁ!?」


「うまかったよ。今度は有希チャンの手料理が食べたいな」




軽く笑う蒼井くんが印象的で何だか恥ずかしくて目線をそらした。


「クックック」


「からかわないでよ」



蒼井くんに言うと、一緒に食べていたみんなの視線が集まっていたのがわかった。


「何、いちゃいちゃしてんの」


「付き合ってんならそう言えよー」


「いつからだよ」





沙織、武、賢治のそれぞれの声に思わずぽかんとする。笑いをこらえる蒼井くんにキッと見た。

蒼井くんのせいだよ! と視線で訴えてみても、相変わらず飄飄としてつかみどころがなかった。




「付き合ってないし、いちゃいちゃもしてないし!!」



照れなくていいよー、とか、信じてすらいないように言われて拗ねたように目をそらした。


沙織の羨ましそうに見る目が今まで見たことのないもので、それを直視する勇気が私にはなかった。





食堂から戻るとすぐに後ろの席の松井さんと数学の問題を見ながら話をした。



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