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第3話 正しい日本語ってなんだろう?

時々活字で見かける「正しい日本語」という言葉。

はたして正しい日本語という物が存在するのだろうか?


もちろん正確な表現や読み方と言った基本はあろう。

以前私が学生アルバイトをしている時に(何年前か書くのは遠慮つかまつる)

「雨天」をあまてんと読んでいる同僚がいて、《《うてん》》だよとやんわり間違いを指摘した事があった。


こうした読み間違いはかわいい方で、

ある知り合いは確か三国志の話をしていた時だったか、


「高きより攻めるは鬼畜の勢い」

と発言したため思わず吹き出しそうになった事があった。


あ、うん。破竹の勢いね。

話の腰を折るのも何なので流しておいたがとても印象に残る間違いであった。



だが、表現とは時代とともに変わる物でもある。

これを言うと年齢がバレるかもしれないのだが、

重複の読み方を私は《《ちょうふく》》と習った。


じゅうふくと読むのは正式ではないと確かに習ったのだ。

だが、今ではじゅうふくと読む人の方が多いようで、ちょうふくと読めば却って恥をかきかねない。


言わば右に倣えの発想で多数派が表現を正当化すると言えるのではないだろうか。



そも、流行語大賞に選ばれる表現などはこうした文法的あるいは正式とされる表現からは外れるものが多い。


でもその時代、その年代、属する組織や属性で《《しっくり》》くるならばそれも正解だと言えなくもないのだ。

そのまま使い続けられ、多数に認知されればやがて辞典にも乗るのだから。

そうして何十年と表現が残ればやがて正式と認められるだろう。


そうなると《《正しい日本語》》と言うのも難しい。

より正確に言えば「現時点」を枕詞にしなければならないのかもしれぬ。



大体、古典を学んだ時にも感じたのだが、

そもそも日本人は言葉遊びが好きな民族に思えてならない。

いや、これは万国共通かもしれないのだ。


短歌では後年立派な文化人と言われる人々でさえ掛詞などの修辞法を使った。

ある言葉に二重・三重の意味を乗せ、気持ちを伝えあう。


その表現力の豊かさに心底感心したものだ。

時に軽妙で粋なやりとり、時に深く味わい深い心情の吐露。


こうして見事人の心を捉えた表現が後の正しい日本語になったのだと。

さすれば、短絡的に正しさを判断するのは避けた方がよいとすら思う。

もちろん受け継がれてきた正しい表現を否定するつもりは毛頭ない。


ただ、正誤の判断がとても難しいのではないかと私は思うのだ。



だから、私は新たに聞く表現を楽しみにしたい。

例えその時には違和感を感じていても、慣れればまるで中毒症状に似た魅力を発揮する言葉遣いもあるからだ。


最近だと界隈という表現だ。

これまでも使う事はあったが、今はさらに身近な現象や状況で使えるようになった。

カクヨム界隈の皆様はどう思われるだろう?

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