第5話:「見えざる敵」
1968年:新たな改変の兆候
キューバ危機の改変を修正したトニーとダグは、タイムトンネル管制室で新たな異常を確認していた。
「次の改変の兆候は1943年、ナチス・ドイツ……。」
ジェリーが映し出したデータには、異様な歴史の変化が示されていた。
「ナチスが極秘の時間研究を行い、戦争の流れを変えようとしている可能性があります。もし彼らが未来技術を手に入れたら、第二次世界大戦の結果すら変わるかもしれません。」
トニーは画面を見つめながら言った。
「このままだと、歴史が完全に書き換えられる。我々が阻止しなくてはならない。」
二人はすぐさまタイムトンネルを作動させた。
1943年:ナチスの秘密研究施設
光の中から現れたトニーとダグは、雪に覆われたドイツの山岳地帯に立っていた。
「ここが……ナチスの極秘研究施設か。」
遠くに見える巨大なコンクリート建造物からは、奇妙な光が放たれている。
「この施設の目的は……?」
ダグが双眼鏡を覗き、建物の中を確認する。そこでは科学者たちが慌ただしく動き回り、巨大な装置の周囲で作業をしていた。
「これは……時間制御装置か?」
トニーが驚愕の表情を浮かべる。
「時間改変派がナチスに未来技術を提供している……!」
二人は慎重に施設へ潜入し、計画の全貌を探ることにした。
ナチスの時間計画
施設内に潜入した二人は、極秘の研究データを調査した。
「これを見ろ。『ゼーレン・プロジェクト』……?」
ダグが手に取った書類には、時間を歪める装置の設計図が描かれていた。
「ナチスはこの装置を使い、未来の戦争技術を手に入れようとしている……?」
トニーが周囲を警戒しながら言った。
「もしこの計画が成功すれば、ナチスが戦争に勝利する可能性すらある。」
二人は急いで証拠を集め、時間改変派の関与を突き止めることにした。
未来の影
突如、施設内に警報が鳴り響いた。
「侵入者だ!」
ナチスの兵士たちが一斉に動き出し、施設の警備が強化される。
「見つかった!」
二人は急いで脱出を試みるが、装置の前で黒いマントを纏った人物と遭遇する。
「……クロノ・マスター?」
その男は冷たい笑みを浮かべ、二人を見据えた。
「君たちは遅かった。歴史は、もう我々の手にある。」
トニーは拳を握りしめた。
「貴様らの好きにはさせない!」
クロノ・マスターは嘲笑しながら言った。
「それならば、我々を止めてみるがいい。」
次の瞬間、彼は装置を作動させ、周囲が激しい光に包まれた——。
(第6話へ続く)
クロノ・マスターが登場します。彼はいったい何を目的としているのでしょうか?
ナチスドイツはアメリカドラマでは定番ですね。