エピローグ:「時間の守護者たち」
*1968年:静寂のタイムトンネル
タイムトンネルの管制室は、長い戦いの末に訪れた静寂に包まれていた。
「クロノ・マスターの痕跡は完全に消滅。時間改変の影響もなくなりました。」
ジェリーの報告に、トニーとダグは深く息をついた。
「これで、すべてが終わったのか……。」
ダグが呟く。
トニーはスクリーンを見つめながら、静かに言った。
「いや、時間は続いていく限り、予測不能な変化が起こる可能性がある。俺たちの戦いは終わらない。」
「それでも……クロノ・マスターとの戦いは一区切りついた。」
ジェリーが微笑む。
「君たちが未来を救ったんだ。」
未来はどうなったのか?
「それで、修正された未来はどうなっている?」
ダグが尋ねると、ジェリーがスクリーンに未来のデータを映し出した。
「2045年の人類は滅亡していません。むしろ、技術革新は適切なペースで進み、宇宙開発が順調に進行しています。」
映像には、人類が宇宙コロニーを建設している様子が映し出された。
「人類は自らの力で未来を切り開いている。」
トニーはほっとしたように頷いた。
「クロノ・マスターの干渉なしで、人類は本来の道を歩んでいるんだな。」
「そうだ。」
ジェリーが続ける。
「第一次世界大戦、第二次世界大戦の歴史も変わらず、過去の改変はすべて修正されています。これで、世界は安定を取り戻したと言えるでしょう。」
*これからの使命
「だが、これで終わりじゃない。」
トニーはスクリーンを見つめたまま、静かに言った。
「時間が続く限り、新たな歪みが生じる可能性は常にある。クロノ・マスターがいなくなっても、誰かがまた時間を乱そうとするかもしれない。」
ダグが苦笑した。
「結局、俺たちはまた時間の旅に出ることになるってことか。」
ジェリーが軽く笑いながら答えた。
「それが君たちの運命だろう?」
*新たな時間の旅へ
トニーはダグと目を合わせ、改めて握手を交わした。
「未来を守るために。」
「そして、歴史を正しく導くために。」
彼らの目の前で、タイムトンネルが再び作動を開始した。
「新たな歪みが発生したぞ。」
ジェリーが新しい時空異常を示すスクリーンを指差した。
「さて、次の旅はどこへ向かう?」
ダグが笑いながら言った。
「どんな時代でも行ってやるさ。」
トニーとダグは迷うことなく、光の中へと飛び込んだ。
時空の守護者たちの戦いは、終わることなく続いていく——。
(完)