第1話:「未来からの亡霊」
タイムトンネルの世界観が好きで、書かせてしまいました。まだまだ未熟な文章ですが、1968年のテレビドラマのタイムトンネルと思い浮かべて、ストーリーをお楽しみ下さい。
プロローグ
1968年、アリゾナ州の地下に広がる秘密研究施設「タイムトンネル計画」。
ようやく本来の世界に帰還できた、プロジェクト責任者のダグラス・フィリップス博士と、彼のパートナーであるトニー・ニューマン博士は、予算の獲得が出来たこのタイムトンネルで、時間旅行の研究を続けていた。
彼らは数々の時代を旅し、歴史の改変を防ぎながらも、タイムトンネルの制御がいまだに不安定であることに頭を悩ませていた。
ある日、管制室のコンソールが警告音を発し、タイムトンネルのエネルギー出力が異常な増加を見せる。制御不能となったトンネルは激しく光を放ち、様子を見に行った、ダグとトニーはまたまた、強制的に吸い込まれてしまった。
彼らが次に目を開けたとき、そこは瓦礫と炎に包まれた未来都市だった——西暦2050年。
*2050年:崩壊した未来
ダグとトニーが立ち上がると、そこには崩壊したビル群と、無人の車両が散乱する荒廃した都市が広がっていた。彼らは手持ちの計器を確認し、2050年の北アメリカであることを知る。
突如として、彼らの周囲に黒い装甲服を着た兵士たちが現れ、銃を向けた。「動くな!」と叫ぶ兵士たちに囲まれ、トニーとダグは抵抗の余地なく捕らえられる。
彼らは地下の避難シェルターへと連行された。そこには、未来のレジスタンス組織のリーダーであるエレナ・カーター博士がいた。彼女は時間戦争について語る。
「この世界は歴史改変によって生まれたもの。未来では“オリジナル歴史派”と“歴史改変派”の間で戦争が続いている。あなたたちの時代、1968年で時間改変が始まり、それが連鎖してこの世界を生んでしまったの。」
トニーとダグは驚愕し、どのようにして歴史が改変されたのかを尋ねる。
「最初の改変は、1960年代の宇宙開発競争に関わるものだった。もし修正できれば、歴史を元に戻す手がかりになるかもしれない。」
エレナは彼らに、小型の時間調整デバイスを手渡した。「これを使えば、タイムトンネルが次に発動するとき、行き先をある程度コントロールできるはず。1968年に戻り、歴史改変の起点を突き止めて。」
その瞬間、敵対勢力の襲撃が始まった。爆発音とともにシェルターの壁が崩れ、黒いマスクをつけた兵士たちが突入してきた。
「急いで!」
エレナの叫びとともに、トニーとダグは時間調整デバイスを作動させた。次の瞬間、彼らの体は光に包まれ——1968年へと帰還した。
*1968年:改変の起点へ
タイムトンネルの研究施設に戻ったトニーとダグは、すぐさま状況を確認する。しかし、テレビのニュースで彼らは衝撃的な事実を知る。
「本日、ソビエト連邦が月面着陸に成功しました!」
ソビエト連邦からのテレビ生中継である。
歴史が、変わっている?
彼らは、時間戦争の始まりを目の当たりにし、次なる行動を決意する。
(第2話へ続く)
まずは、導入です。アポロ7号やら8号が飛ぶ時代に、ソ連が月着陸です。この頃ソ連は、N1ロケットを開発していました。開発に成功していたら、2つのロケットを使って、月着陸船と有人宇宙船を打ち上げ、月へ向かう予定でした。