行動
自分でも何を言ったか分からない……「見合いを阻止する」とか……挙句に「俺と結婚」などと……言ってしまった。
まぁちゃんと別れて俺は⦅これって、告った? 告った……そうだよ。俺、告ったんだ。⦆と自分の言葉に驚いている。
⦅ああ~~~っ! まぁちゃん、青天の霹靂だったんだろうなぁ……。
俺、なんてこと………。
第一、俺って好きだったのか……まぁちゃんのこと……。
見合いさせたくない! させたくないんだ。
誰かの妻に、まぁちゃんが!
それが、めっちゃ嫌なんだ。
あぁ………やっぱ惚れてたんだな。俺……。
まぁちゃん、俺のこと変な人だって思ったよな。きっと……。
ああ~~~っ! 駄目だぁ~~~!
嫌われた! 絶対に……あぁ……失恋だなぁ……。⦆
そして、土曜日。
まぁちゃんは来なかった。
俺は迎えに行った。
行かないと、まぁちゃんが誰かの所に嫁ぐ……そう思うと、俺は自然に車を運転していた。
店は……あぁ……母に一言「ごめん!」と言って出た。
母も叔母も従姉も「行ってらっしゃい。」と送り出してくれた。
そして、まぁちゃんの家のインターフォンを鳴らした。
出て来たのは、まぁちゃんのお母さんだった。
「どちら様でしょうか?」
「まぁちゃんの友達です。」
「うちの娘に男性のお友達は居ません。」
「お母さん。お友達なの。」
「あんた……。」
「行ってきます。」
「どこに行くの!」
「婚約した友達の所へ二人で行きます。
そのために迎えに来ました。」
「そんなこと、聞いてないわ。」
「話すのを忘れてました。済みません。」
「まぁちゃん、行こうか。」
「はい。お母さん、行ってきます。」
「済みません。連れて行きます。失礼します。」
「あ……お願いします。」
車にまぁちゃんを乗せて、鎌倉に向かった。
車の中で、まぁちゃんは震えていた。
多分、初めてお母さんに従わなかったんだろう。
「ごめん。悪かったよ。俺が連れだしたから……。」
「ううん。ありがとうございます。
本当はお見合いしたくなかったんです。
でも、どうしよう……。」
「鎌倉に行くのを止める?」
「じゃあ、どこへ? 私はどこへ行ったらいいの?」
「俺の所へおいでよ。」
「……あの……。」
「俺の家に……友達も来るからさ。呼ぶよ。
これからのこと、皆に相談しよう。」
「はい!」
それから、俺は合コンメンバーに連絡して来て貰うよう頼んだ。
皆、来てくれた。
そして、作戦会議が始まったのだ。