告白
あれから俺は、まぁちゃんの通院に必ず付き添っている。
母が提案してくれたが、俺が言い出したかったことだった。
まぁちゃんの笑顔を見られたら俺は……嬉しかった。
だが、2ヶ月ほどした通院日。
まぁちゃんから「もう終わりにしてください。」と言われた。
「どうして?」
「……これ以上甘えるのは良くないと思います。」
「甘えて欲しいんだけど……。母さんもそれを望んでいるよ。」
「……もう……通院出来ないです。」
「!……なんで?」
「お見合いするんです。今度こそ結婚まで進まないと……。
許して貰えない……。」
「結婚!……嫌じゃないのか? いいのか? 自分の気持ちを殺して……。」
「母が全て私のせいだと……。」
「何が?」
「家を出られない…って……いつまでも私が結婚出来ないから……。
恥ずかしいと……。」
「なんで? まだ23歳だろ?」
「23歳までに結婚しないといけないんです。」
「しなくてもいいんだよ!」
「でも………。」
「言いなりになる必要はない!……からね。」
「……そうなんでしょうか?」
「そうなんだよ。」
「…………。」
「どうしても結婚しなければならないんだったら……俺とする?」
「えっ?」
「俺と結婚する?」
「あの……冗談……ですよね。」
「本気。俺と結婚しよう。そして、家を出る。
それから先のことは二人で考えよう。」
「あの……私のこと……何とも思ってないのに?」
「まぁちゃんと一緒だよ。まぁちゃんも何とも思ってない人と一緒になるんだろ?
だから、一緒だよ。どう思った? 変だと思った?」
「……はい。……変だと……済みません。」
「いいよ。思ったことを話して! 俺には……。」
「……はい。」
「作戦を考えないといけないな。」
「作戦?」
「まぁちゃんを見合いさせない作戦。」
「……無理です。もう日も決まってますから……。」
「えっ?……いつ?」
「次の日曜日……。」
「どこで?」
「料亭だと聞いています。」
「土曜日、うちに来て!」
「それは……。」
「いいから来て! 来なかったら迎えに行くから!」
「あの……どうしてですか?」
「見合いさせたくないから! 迎えに行くよ。]
「なんで?」
「なんでも! 兎に角、見合いさせたくない!」
「それは………。叱られます。」
「俺が守ります。全力で!
……見合いさせたくない!
……兎に角、見合いだけは阻止するから、いいね。」
「……はい。」
「土曜日、うちに来てくれる?」
「はい。」
それからが大変だった。
大変だったけど、今の俺に隣に居るのは……まぁちゃんだ。