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アグネスの変貌

「旦那!旦那ぁ!しっかりしてくだせぇよ!」

「う…ううっ…ここは?」

ボロはため息をついた。

「振り出しに戻っちまったようですね。ここはレッドジャングルのオラの寝ぐらですよ」アランはガバッと薄い布団をはね除けてボロを揺すぶった。

「俺はどうなったんだ一体?」

「それはこっちのセリフですよ。家のドアを開けたら旦那が倒れてたんですから…てっきりあいつらに殺られちまったかと思いましたぜ。で?どうなったんですか?」

アランは神社で起こった事をすべて話した。「ふ〜んなるほど。最近暴れてる奴らは黒い羊飼いではないと…。そう言ったんですね?」

アランは頷いた。

「で、やつらのことは黒い羊飼いに任せておけ…と?」

「ああ…そう言ってた。」

ボロは顎をポリポリ掻きながら暫く考えていた。

「どうやらオラは思い違いをしていたみたいですね。黒い羊飼いって連中はどうやらオラ達貧乏人の味方みたいだ。旦那…どうでしょう?待ってみては?旦那が話したそいつは多分黒い羊飼いのリーダーだ。そいつが任せろというならきっと姐さんは帰ってきますぜ」「無責任な奴だなお前は!信じるなと言ったり、信じろと言ったり…だが、声の主からしっかりとした信念のようなものが感じられたのも事実だ。そうだな…信じてみるか。」

アランはボロの家を出て学院に戻って行った。


アランはすぐにヨンのいるリネン室に向かった。

ヨンはアランの姿を見つけてツカツカと歩み寄ってきた。

「アラン!どこ行ってたのよ。一晩帰って来ないなんて心配するじゃないの。アグネスも怒ってるわよ〜!早く行って安心させてあげなさい」

「エエッ?俺は姐さんがなかなか帰って来ないから心配で街中を捜してたんだぜ!」

「ああ…確かに遅かったわよね。なんでも玉ねぎが売り切れてて隣街まで行ったとか言ってたわよ」

「じゃあ…じゃあ昨日のうちに戻ってたんだ?」

アランはどっと身体の力が抜けた。

俺はまったくドジな野郎だぜ…ハハハ良かった!

「でも…そういえばちょっと気になることが…」

「何か変わったことでもあったのかい?」

アランは心配げにヨンの言葉を待った。

「う〜ん。アグネスは帰ってきた時、男物のふくを着て帰ってきたのよね」

アランは顔色を変えた。

「姐さん…なんて言ってた?」

「池にはまって服を濡らしちゃったところを通りかかった男の人が助けてくれたらしいわ。服はその人に借りたって言ってたわね」

アランは即座にそれは嘘だと見破った。

でも…なぜ嘘をつく?心配させない為か?それとも何か他に訳でもあるんだろうか?

アランはアグネスの部屋に急いだ。


アグネスは鏡の前で髪をシニヨンに結い上げていた。

バタンとドアを開けて部屋に入ってきたアランに驚き、その手を止めて振り返った。

「アラン!あんた一体どこ行ってたの?心配したわよもう!」

アグネスはアランの頭をポカリと殴ってプリプリ怒っている。

「姐さんこそ…俺、姐さんが心配で街中捜してたんだ」

「エエッ?バ、バカねぇ。玉ねぎ買いにちょっと遠出してただけよ。それよりイーサンがおかんむりよ!あんたがいないから仕事が増えたって…早く行って謝ってらっしゃい。」「うん…わかったよ」アランは部屋を出て深呼吸した。

姐さん…なんだか変わった。

アランはなぜかアグネスが遠くなったように感じた。

今までアグネスの一番の関心事は自分だった気がする。それなのになんだか今のアグネスにはもっと別の何かに気をとられている感じがしたのだ。

アランはそんな物思いを振り切るように自分の頭をポカポカ叩いた。

しっかりしろ俺!とりあえず姐さんは無事だった…それでいいじゃないか。

アランイーサンのいる校庭に向かって走り出した。

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