表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
染髪  作者: 建忘
1/1

染髪

明日は結婚相手となる婚約者の元へ嫁ぐ日。


今日はその準備として彼の望む色に髪を染めていく。

我が家で生まれた女性は有力者の子息へ嫁ぐことが多く、結婚相手の好みに合わせ髪や服装、スタイルなどを変え嫁いでいくことで、相手を虜にし円満な関係を築くという習わしがある。

私も例外ではなく許嫁の元へ嫁ぐ事が決まっているのだが婚約者との相性も良く、彼の理想の女性と言われている。

ただ1つ髪について希望があるらしい。

今回の結婚式に合わせて純白のドレスに合うホワイトブロンドに染めてほしいそうだ。

なので結婚式のために腰まである黒髪を、初めて彼の望む色へ変えていく。


髪を染めるために化粧部屋に行くと

侍女たちは既に準備を始めていて、洗髪剤など必要なものが集められていた。

侍女の1人が調合を行っており、何をしているのか聞くと漂白剤の準備をしているとの事だった。

侍女が言うには髪の色を変えるためにはまず髪を脱色する必要があるらしい。

そのため髪に塗る薬剤準備をしていて、バケツの様なものに用意されている。

中を覗くとドロっとしたクリーム状のものがギッシリと詰められており私1人に対してこれをどう使うのか、と思う程の量だった。

いわゆるブリーチ剤と言うものらしい。


これから私はどんな事をされるのかと聞こうとしているうちに準備が整ってしまった。

お嬢様こちらへと案内され、衣類を脱がされ椅子に座ると早速施術が開始される。

「御髪洗いをいたします」

故郷から結ってきた結い髪をまず洗髪することに。


「うぶっ!」こちらの洗髪やり方なのか、いきなり頭を桶に突っ込まれ鼻にお湯が入り吹き出してしまう。

「失礼しました」と再度髪のみ入れ念入りに油ぎった髪を濯がれる。

お湯を交換されたり、ようやく固まった髪が解け腰までの黒髪が降りると髪から汗や皮脂の匂いがますます強くなる。

「髪が臭そうございますので徹底的に洗いますね」

洗髪剤をたっぷりつけられ洗われていく。


洗髪頻度の少ない習慣と結い固めて数ヶ月が経った頭は、濡らすと汗や皮脂の匂いが立ち上る。

油で固まっているため、泡立ちが悪く入念に洗髪される。


途中泡立て頭で一旦起こされ洗顔もされ、「鼻をかんでください」と言われ「フーン!」と鼻もかまされ「フガッ!」と鼻糞も取られ鼻毛も抜かれ、鼻の穴付近から耳の縁まで入念に洗われる。


一旦濯がれ髪の匂いを嗅がれると、ダメな様で再度洗髪剤をつけられ、ジャブジャブ洗髪が再開された。


「浣腸いたしますね」

長時間の施術のため動けず厠も行く間もなく便秘ということもあり、前屈み洗髪の最中に有無を言わさず下着を脱がされ当たり前のように浣腸も施される。

「えっ?んあ!うっく!…」慣れた手つきで浣腸液を注入する侍女。

「まだ出さないでください」と肛門に栓をされ洗髪を続ける。

時間がきてガス出しの空気浣腸もされた後、

「出して下さい」と泡立て頭のままでも構わず腹部を圧迫され、

「ブビィ!ブゥー!」「ボリュッ!ボリュッ!ミチミチ!プッス〜」


凄まじい放屁や宿便が出た強い匂いもあり、かなりの羞恥であったが、侍女は動じず粛々と行っていた。


洗髪後まず頭皮を薬剤から保護する為液が髪に揉み込まれていく。



保護液が塗り終わり濯がれるといよいよ薬剤の塗布が行われる。

刷毛を持った侍女たちが私の髪を掴み、数人がかりで薬剤を塗っていく。

まずは毛先から中間部分までを塗っていく様で塗り終えた部分が手から離されると、ストンと落ちていく様な重みを感じる。

徐々に薬剤が塗られた髪が増えてきて、液のついた髪は地面に引っ張られる様で重さが増していく、また薬剤によるものなのか硫黄のようなツンとした少し変な匂いがし始めている。

20分程度で中間から毛先への塗布が完了した。

周りを見ると私の髪の量が想定以上に多かったらしく、急遽追加の薬剤を準備している。

あれほど大量の薬剤であったにも関わらず、足りないと言うことは私の髪にどれほどの量が塗りたくられるのかもはや想像がつかない。


塗布を再開する様で今度は中間から根本にかけて塗布していくそうだ。

先程と同じく私は侍女に囲まれ、薬剤を塗られていく。

徐々に薬剤を塗る場所が根本に近くなってきたらしく頭皮に触れた際には驚いて「ヒャッ」と言う声を上げてしまった。

その後も根本近くまで全体的に薬剤が塗られて、たまに頭皮に当たる冷たい薬剤の感触を感じる様になった。

更に20分ほどかけ全体への塗布が完了し、最後に根本部分へ塗布されていく。

それまでとは違い、頭皮へ直接薬剤を塗布されるためヌルッとした何かで頭皮全体をなめられている様その感触で埋め尽くされていく。

頭皮まで塗布し終えると、薬剤をムラなく浸透させるためにしっかり櫛を根本から通され、髪を掴み、薬剤が揉み込まれていく。

揉みれる度にヌチャッという感触がして自分の髪に満遍なく薬剤が塗布されている事を実感する。

最終的には髪を頭上にまとめ上げられ、薬剤が固まり始め粘土の帽子の様な何かを被せられた感覚になっている。

これで1回目の塗布は完了で再度放置される様だ。


目の前に鏡もなく今自分がどんな状態になっているのかよくわからないが、頭皮に感じる重さや突っ張りから大量の薬剤を髪全体に塗られた状態である事は間違いなく頭が重くて動かしにくい。

先程からしている匂いも更に強く感じ鼻をつまみたくなる程に臭くなってきた。

また、初めての事で緊張しているのか少し暑い様にも思えてきている。

侍女に聞くと薬剤が反応している証拠で熱や多少の刺激を発するらしくそのせいではないかと言う。


待つ間に目の前に鏡が用意され、薬剤だらけの髪を巻き糞の様にまとめられた異様な頭にされ、眉毛にも脱色剤を塗られた自身が映る。

かなり恥ずかしく俯きそうになるが髪が落ちそうになるため侍女に顔を上げるように言われる。


たまに状態を確認され、足りない部分に薬剤を塗り直されたりしながら時間の経過を待つ。

放置時間の20分が経過し、1回目の薬剤を洗い流すらしい。

巻き糞のようになった髪を侍女に持たれながら洗面台に移動する。


移動中別室で同じように施術され、涙目で鼻をつまむ薬剤巻き糞頭を晒す侍女を見かける。聞いて見ると薬剤の具合を先に見るためにさせられており、2回目の薬剤だと言う。


洗面台に到着し付着した薬剤を流していく。

シャワーで薬剤が流れ落ちていくにつれて頭皮の拘束感や異臭から解放されていく感じがする。


薬剤を洗い流し、これで終わりかと思いきや流し終えた髪を見ると、まだ明るい茶髪で更に回数を重ねる必要があると言う事で2回目の脱色を行うらしい。

侍女たちも大変そうではあるが自身も慣れない事のため1回目で終わってほしかったが仕方なく2回目に応じる。


元の場所へ戻ると髪を乾かされる。

その間に2回目の薬剤の準備を始められている。

1回目で思ったよりも色が抜けていなかったらしく先程よりも薬剤を強くするそうだ。

薬剤の準備ができ、2回目の塗布が始まる。

1回目と同じく毛先から塗っていくが、毛先の色が特に暗いらしく毛先を中心に入念に塗られていく。

同様に少し時間を置いた後、根本に向けて再度塗布していく。

根本あたりは比較的色が抜けている様で先程よりも手早く塗布される。

頭皮に薬剤を塗られる感覚には未だ慣れないが前回に比べると、どういう状態になるかわかっているため不安は少ない。

全体の塗布が完了し、2度目の放置に入るが明らかに薬剤が重く匂いが先程より強く頭皮に熱とチリチリとした刺激を感じる様になってきた。

匂いは鼻をつまむ程であったが、痛みは我慢できないほどではないため、あと少しと言い聞かせ鼻をつまみながら放置時間の終了を待つ。


2回目の放置が完了し巻き糞頭で移動し再度薬剤を洗い流すと全体的に金髪になってきているとの事だった。

ただ、ゴールまでは近づいたものの更に脱色が必要で3回目の準備が開始された。


侍女に2回目の塗布後に起きた熱やチリチリした刺激について伝えると、髪や頭皮の状態をチェックされたが髪も傷んでおらず炎症も起きていないとの事で最後まであと一踏ん張りですと言われる。


3回目の塗布が始まった。

先程よりも刺激や匂いが増してきているが大丈夫なのだろうか、あと何回耐えなければいけないのかと不安になりつつも、我慢する事を決めた。

3回目も同じく強め薬剤で色の抜け具合の弱い部分を重点的に塗布する様で様々な箇所に塗布が進んでいく。

全体に薬剤が塗られネトネトのオブジェの様な頭にされて3回目の放置時間に入った。

相変わらず熱や刺激があり、なんとなく薬剤の量、匂いや刺激が増している気がし、さらに加熱もされ匂い避けの鼻栓までされなんとか耐える事ができ3回目の薬剤を洗い流す。

薬剤を流していくと、私の髪はようやく金髪ではなく白に近い状態になった様で薬剤が流れるのと共に解放感や安堵を感じ始めていた。


3回目の脱色を終えて席に戻ると最後に色素の抜けた髪に色付けをするため、紫色の染料が塗られていく。

白にするのになぜ紫なのか疑問ではあったが手早く塗り終わり、最後の放置時間となった。

先程と違い熱や刺激も感じなかったため、落ち着いて過ごすことができたが、脱色とはまた違う異臭がし、白に近づいている様だが3回脱色した髪が綺麗に染まるのかという不安と期待が入り混じり高揚しているのかとても不思議な気分だった。

染色剤を待つ間に施術台に乗せられ、脇毛、陰毛、尻毛の脱毛をされる。


そして最後の染色剤を洗い流し、入念にケア剤やパックなどをされた後、髪を乾かし終えると目の前に鏡が用意された。

鏡を見ると一瞬映っているのが自分なのかわからなくなるほどで、黒髪だった時の面影は無く、根本から毛先まで純白の髪の女性がそこにいて、別人が映っているのではと思う程だった。

染められた髪は高級なシルクの様で白い肌にとても似合っており、数時間前の自分の髪がどんな色だったのかもはや思い出せずもとからこの髪色だったかの様だった。

出来栄えを見た侍女達からも好評で旦那様もお喜びになられるでしょうと言っていた。


結婚式当日、早朝から準備が始まり、綺麗なお湯が出るまで浣腸、洗髪、洗顔、歯磨き、痛いくらいの髪結いを経て数時間後教会には全身を純白に彩られた花嫁の姿がそこにはあった。

彼女の姿を見た旦那様はとても満足した表情で彼女を迎えた。

準備はかなりの苦痛であったが、相手の満足気な顔を見て安心した彼女は今後も彼の色に染められていくことへの高揚感を胸に秘めその手を取るのであった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ