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特別になりたくて

作者: 欅出 弓緋

誰もが妄想では世界一強かったり、頭が良かったり、お金持ちだったり、イケメンだったり、美女だったりする。

だがそんなものは幻だと気づく時がくる。

世間の中で自分の役割を理解し毎日の業務に明け暮れる。

そしていざネットを見るとインフルエンサー達がお金を稼いでる姿。

こうなりたかったのは自分のはずだったのに。

みんなに自分を知って認めてもらいたい。

何にでも恵まれているような人達が更に地位を高めていく。

あーこれが格差社会なのかと世間に嫌気が刺す。


私はこういった人種である。何事も否定し自分の都合の良いように考える。

じゃないと自分を守れないからだ。

地獄に堕ちろと祈りながらSNSでは赤の他人にクソリプを飛ばす。

良くないことだと分かっているが人を叩くのは気持ちいい。

人の指摘をすることで自分の地位が上がった気がするからだ。

簡単にいうと人間に序列があるとすると自分は一位になりたかったのである。

世界とは言わず日本であってもそうだし学校でもいい。自分が見ている世界の中で一位になりたいのだ。

今まで一位とは言わず自信を持っていたことはある。勉強だったりスポーツだったりゲームだったりで優越感に浸っていたこともある。

だが成長とともに自分は普通だったんだと気付かされた。

テレビや動画投稿サイトを見ると自分には到底真似できないスキルを持ったプロの人が華麗な活躍を見せている。

話題になるのはそういう話。気づいたら誰も自分のことを天才とは呼んでくれなくなった。

一発屋をバカにする一発も当てたことない本当のバカは自分なのだ。

今までは駄目だったかもしれないがこれから先は私の時代が来て欲しいと何もせず待っているのである。

誰かが拾い上げてくれないかな。急に芸能人にスカウトされないかな。そうした妄想を大した努力もせずに待っているのである。

だが待っている人に奇跡なんて訪れるわけもなく目の前に広がるのは毎日の決まったルーティンだ。

若い頃は大人になればとか考えていたが気づいたらもう年齢だけは大人だった。

心は子供のままだからこんな夢を抱くんだなんて思われるかもしれないが、大人になるということが自分を諦めるということなら子供のままでいいじゃないか。

だからアニメや映画を見て主人公になりきって感動するんだろう。

嘘をつき自分を強く見せて成功者目線で語って自分を褒めてもらい承認欲求を得るのだろう。

まだ人生諦めてない。今日は疲れたからしっかり寝て明日から成功に向かって毎日を過ごそう。

そうして成功とは何かについて考えているうちに死ぬんだろう。


私の人生が特別かどうかは自分が認めてあげたらいいじゃないか。

人を羨ましがって蔑んで誰の人生を生きようとしているんだろう。

きっと私がなりたいあの人も特別になりたがっているに違いない。だって私になりたがったあの人達は私を特別だと捉えていたからだ。

私の人生は私しか経験できず特別であることに違いない。

生まれ変わってももう一度私の人生を過ごしたい。


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