コスプレイベント会場へいざ出陣!
コスプレイベント会場へ向かいます
2話です
僕は私服にキャップを被っただけの出で立ちで目的場所に向かった。
「会場はここか~……」
初めて来た県内の会場だったが、そこは想像していたより少し控えめな会場や広場だった。つい東京の広いコスプレイベント会場をイメージしてしまっていたからかもしれない。
「まぁ、けどここはここで近くて良いや」
僕は交通費という資金力に大きく左右される大人買いとはほど遠い貯蓄事情の為それはそれで良しとした。
今まではよく写真とかで見て雰囲気を楽しんでいたが、そういう場所自体に来るのは初めてだったから、少しどきどきする。
どんな可愛い子がいるのだろう。際どいコスプレを着ている子はいないかなっ、楽しみだっ……はっ、いやいやっ。僕は『夢野メグ』ちゃんに会いに来たんだ。そんな気持ちでどうするっ!?
危うく僕は邪な考えに流されそうになっていたので、気持ちを改めた。
とはいえまだイベントは開催されていないので、僕はその会場の周辺をぶらぶらすることにする。そしてその間少しだけシミュレーションを行った。
以下妄想……
『あの、僕はRyu(流のアカ名)です。いつもコスを拝見していますっ!』
『あ、Ryuさん! リアルでお会いするのは初めてですねっ! 来てくれたんだー、嬉しいっ! ありがとうございますっ♪』
『いやいや、こちらこそ。いつも応援しているんで頑張って下さい』
『はいっ! 遠い所からありがとうございます』
『いえいえ、実は近所なんですよ』
『え? そうなんですか!? 私もです! あ、これ身バレ案件だ。どうしよう……』
『心配しないで下さい。約束は必ず守る男です』
『Ryuさん……』
『はい』
『これは私達の秘密案件ですねっ♡』
『えぇ、勿論っ』
『うふふっ』
『はははっ』
「えへっ、えへへっ……」
僕は町を歩きながら、彼女との(一方的極まりない)ラブラブ妄想に拍車をかけまくっていた。
それを初めて数十分経過しただろうか、会場近辺から盛り上がりの声が聞こえてきた。
(はっ、いかんいかんっ。気づけばこんなところまで来てしまっていたっ! 早く戻らねばっ!)
僕はスマホとカメラ両手に持って急いで広場へと向かった。
「もう少し可愛いポーズを~」
「『◯△』ちゃん、もう少し脚上げて~」
と、ところどころ注文の声が聞こえてくるが、ほとんどはシャッターの音だけだった。
(メグちゃんはどこだ~~。いるかなーっ)
僕は必死に彼女を捜す。始めは狭いと思っていた敷地も人を一人捜すとなるととても広く感じた。
(……なかなか見つからない。いつもコスプレの画像は“加工”とか書いてあるから、実物はけっこう違うのかな~)
僕はこの中からちゃんと彼女を見つけられるのか少々不安になった。とりあえずメグちゃんのことは置いておいて、まず色んなレイヤーさんを見たり撮影したりしようと思った。
やっぱり人だかりが多いところのレイヤーさんは衣装のクオリティがかなり高く、まるでアニメやゲームの世界から飛び出したかのような感覚になる。
(う~ん、やっぱり実物も可愛いな~っ、綺麗だなーっ)
とはいえ人が多いところはなかなか撮影が難しく、遠い所からちょろっと撮るぐらいだ。その黒い頭の群衆にちょこっと奥にレイヤーが写り込む画像はなんだか現代の世相を写し撮った気分になる。
人が多いと綺麗に撮影が出来ないから、少人数のところに行こう。
僕は目標を変え、人だかりが少ないレイヤーさんに向かう。
まずはあそこだ。
「撮影良いですか~?」
「良いですよーっ」
人気がないとはいえこの子も十分可愛らしい子だった。そして何枚か撮ったので、別のところに行く。
近場で人だかりが少ないレイヤーさんを撮影し回った後、一人ぶらぶらする。
(皆可愛くて、眼福だなーっ。眼福眼福……はっ、いかんいかん。本来の目的から外れていってるじゃないかっ。メグちゃんはいずこへ……)
そう思いながらキョロキョロ見ていると、広場の片隅に休んでいる美少女がいた。今彼女の周りには誰もおらず、のんびりしている風だった。
あれなら誰にも邪魔されずに撮影できそうだ。ちょっと彼女に頼んでみようか。
「あの、撮影大丈夫ですか~?」
「あ、大丈夫ですよ~……」
振り向いた彼女はなんと『夢野メグ』その人だった。
「『夢野メグ』ちゃん!!」
やっと彼女に会えたーっ。リアルで見てもやっぱり天使…、
「貴方……浅野……君?」
「……え?」
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