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ルイス・フロイス天道記〜Historia de Japon  作者: アサシン
領地経営から始める戦国攻略
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賢者タイムの南蛮人軍師

♠️天正3年5月 長浜城寝室

 長浜というところは、湖畔にあるということもあって、この季節、少々、湿気がうっとおしい。


 でも、まぁ、寝覚めの気分はそう悪くない。


(昨日も頑張ったからなぁ)


 俺は、頑張った次の朝が好きだ。賢者タイムっていうの?頭が冴える感覚があるからだ。


 横に寝ているのは綾である。


 作戦どおり、綾の口を防ぐのに成功した。


 俺の側室は、全員、子持ちの後家である。


 後家っていうことは、みんな、なんらかの形で夫を亡くしているわけで…


 再婚相手は亡くしたくないって気持ちが強いであろうことはわかる。


 それが、綾の場合、顕著なのである。


 なんというか…(重可愛いかよ)


 それを利用して、関係を迫る澤は(あざとかわいい)であるが。



 まぁ、そんなことは今は置いておくとして…



 今、考えるべきことは、武田の一門衆や家臣たちをどうやって取り込むか、それから、戦の最中に「敵は断上山にあり」と叫んだ佐久間殿を、どう裁くかといったことだろう。


 武田勝頼にも佐久間信盛にも、事前に式神をつけておいた。


 実は、どちらも設楽ヶ原でどうとでもできたのである。殺すこともできた。


 長篠・設楽ヶ原の戦い。あの戦は、武田勝頼と佐久間信盛を試すための戦いでもあった。



 武田勝頼に関して言えば、史実から設楽ヶ原の野戦陣地に誘い込めることは分かっていた。


 どうやって誘い込んだかは謎だったから、そこは工夫したが…。


 試したのは、新式銃がこちらの本陣に集中しているのに気づくかどうかだ。


 本陣に新式銃を集中させたのは、まだまだ新式銃の生産数が足りなかったから。

信長様と家康殿を死なせるわけにいかず、本陣に集中配備させたのだ。


 その結果、織田・徳川連合軍の右左翼は、ほぼ史実と変わらない戦力となっていた。


 そこに攻撃目標を変えたことで、史実と変わらない戦闘時間、史実とほぼ同じ数の出血を織田・徳川連合軍に強いたのである。


 勝頼が信長様と家康殿を討つことにこだわり、本陣に突撃することにこだわっていたら、俺たちはもっと楽に勝てた。


 もし、そうなっていたら、勝頼をあの場で殺してもよかった。…いや、殺してた。


 勝頼を生かすことにしたのは、勝頼が俺たちの本陣を叩くことに固執せず、右翼に攻撃を集中させた戦術の柔軟性のゆえだ。


(なかなかの戦上手)


 それが、武田勝頼に抱いた印象。、


 そして、3段構えの陣地を2段まで破った、武田兵の精強さよ。


(欲しい)


 史実において甲斐を攻略したあと、家康殿は武田の将兵たちを自軍に取り込むことを熱心におしすすめた。


 その代表例が、井伊の赤備えである。


 家康殿が武田の兵を欲しった理由も頷ける。



(武田勝頼と武田兵。生かして、タイに送りたい!)


 さて、どうやって勝頼と武田兵を生かしてタイに送り込み、ヨーロッパの国々の侵攻を防ぐ防波堤になるよう仕向けようか…。


 まずは…。



♠️

 対武田の戦略を練る中、綾は安心しきったように深く眠っている。


(可愛い)


 そう思いつつ、俺は思案をつづける。


 史実においては、たしか…



 長篠・設楽ヶ原の戦いに敗れた武田勝頼は、鉄砲の弾薬・弾丸の重要性を改めて認識した筈だ。


 そして、信長様と家康殿に経済封鎖されている中で、一門衆や家臣に〝弾薬・弾丸を確保するよう、各自で、奮励努力せよ〟という、第二次世界大戦中の大本営のような命令を下すのである。


 それと同時に様々な改革を行なって、武田の勢力を盛り返すどころか、以前より勢力圏を拡大させすらする筈であるが…。


(そんな時間はやらん)


 …



 ん?


(弾薬・弾丸を各自で奮励努力して確保せよ…ね)


 なかなかの無茶振りだが…。


 


 (弾薬、弾丸。欲しいなら、売ってやるか…高値でね!)


 …。


 無論、信長様に許可はとる。


 その許可も下りる筈だ。 


 だって…俺たちを撃つために集めた筈のそれらは、逆に勝頼の首を絞めることになるからだ。


 武田の家中は、朝輝教が広まるのを厳しく規制していたが、商人として紛れ込める。 


 家臣や一門衆たちが確個に商人と取引するのならば、朝輝教の行商団と取引させることでこちら側に取り込める筈。


 そうして、一門衆や家臣団に一斉に裏切られる武田勝頼。


 勝頼は、どんな顔をするかな?楽しみだ。


 対武田に関する戦略は、これでまとまった。


 あとは、佐久間信盛の処断に関してだが…。


 さて、どうしようかなー?


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