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ルイス・フロイス天道記〜Historia de Japon  作者: アサシン
美濃での日々
17/77

天照女神像


 永禄12年4月末・岐阜フロイス邸



 占いの結果を聞いたあと、客間へと向かった。


 障子を開けると僧形の青年がもの静かに座っていた。青年と言っても30代前半くらいか?


 静かに座っているが、隙のようなものはない。気配が研ぎ澄まされているのである。かと言って殺気のようなものは感じない。何かの武道に通じているのだろうか?


 そう思って堯俊と名乗る仏師の荷物を見る。長いものと風呂敷に包まれた何かが見える。


 どうやら長いのは槍。それも十文字槍らしい。


 僧形で十文字槍とくれば…宝蔵院流の槍の使い手か。

それも相当な手練れとみた。


 軍神フツヌシノオオカミがついており信長様の小性たちに武術を教えている俺は一眼見ただけでなんとなくその人のもつ武量がわかるようになっている。



(この人、仏師といってるが織田家屈指の槍の使い手である槍の又左こと前田利家殿よりも強いぞ?)


 仏師で宝蔵院流の槍の使い手が俺になんの用だろう?堯俊という仏師は聞いたことがない。



「お待たせいたしました。私がルイス・フロイスです。今日はどのようなご用件で訪ねてこられたのですか?」


俺がそう挨拶すると…



「お初にお目にかかります。私は奈良で槍と仏師の修行をしております堯俊と申すもの。今日は神託を受けてここに参りました」


 …神託?神の啓示か?仏師が??


「はあ、神託ですか?」


 まぁ、神になら俺も会ったことがある。日本の最高神でありながら、日本をギャンブルの担保にするクソ女神だけどな。


「ええ。アマテラスオオミカミと名乗る女神です。自分の姿を像にして、ルイス・フロイスと申す異国の宣教師に見せよと。そうすれば、お主の仏師としての道が開けると。仏像ではなく女神像ですが…こちらです」


そう言って、堯俊殿は風呂敷を解いて木彫りの女神像を俺の目の前に置いた。


(やっぱり、アマテラス様でしたか…神託なら俺に直接くだせばいいものを)


「拝見いたします」


 ふむ。世にも美しい女神があたたかな笑みを浮かべて両手を広げて立っており、世を照らしてますって感じの像だな。


 アマテラス様は俺にはその姿を光で隠していたがそんなお姿をされていたのですね。本性を知らなければ、この像の出来栄えに圧倒され1日中拝み倒しているかもしれない。


 言いたくないが、それだけの美しさとオーラを放っているのである。顔も美しければプロポーションも素晴らしい。ボンキュボンというか不二子ちゃん体型というか…黄金比とはこういうものだろう。顔の方はファン・ビン◯◯といったところか。中国ドラマで武則天を演じた女優である。


 美しいものには神が宿るというが…これはまさに神がかっている。


「ははは。それがしの作品を気に言ってくださったようですね。」



「え?」



「お気づきになりませんか?あなた、その女神像を涙を流して一心に拝み倒しておりますよ。確かキリスト教の宣教師はキリスト以外の教えを邪教と断じ、それらの神を形どった偶像を崇拝してはならぬのでは?」


 く、詳しい。それに拝み倒している自覚も全くなかった。拝み倒している事を自覚した今、それをすぐにでもやめて客人を応接しないといけないのだが…それがひどく億劫なのである。


 (―――呪いでもかけられているのか?この像)



 俺は、億劫な気持ちを振り払って客人の問いに答える。


「そうでスね。キリスト教は一神教であり、他の神を崇拝してはなりません。まぁ、私は日本の神にも仏にも敬意を抱いておりますシ、日本の神社や仏閣が大好きではありますガ」



「崇拝したら駄目なのに無意識に拝み倒してしまうのですね…我ながらとんでもないものを作ってしまったものです」


 堯俊殿は得意気だ。顔が興奮でほんのりと赤くなってる。よほど嬉しいらしい。


 まあ、気持ちはわかる。自分が作ったものを見て涙を流して感動してくれる人がいたら嬉しいよな。感動したら駄目なのに、つい感動してしまったとかだったら特に。


「はぁ…確かにこの女神像は素晴らしいです。呪われてるのではないかというほど…。私はこれをどうしたらいいのでしょう??あなたの道を開くとは??」


 神託って言っていたが


「はい。私はこの神の神託を受けて神がそのまま宿ったようなこの女神像をたくさん作って世界中の人に所有してもらいたいのです。そして、たくさんの人にこの像を拝んでもらいたい。私が受けた神託はそういうことだと思うのです。つまり、あなたにこれを世界に広めて欲しいとお願いすればそれがかなうということだと」


 この像を世界に広める…それがアマテラス様の望みでもあるわけか…


 そう言えば、転生する前にアマテラス様が仏師に自分を模した像を作らせると言っていたな。


 これを世界制覇にどう使うか…。一度、冷静によく考えてみるべきだろう。


「これを世界に広める…とても素晴らしいことだとおもいますが…私の立場もあります。少しだけ考えさせて下さい」


 そう言って堯俊殿を客間で少し待っていてもらい、俺はこの像をもって自室でこの像のことを知識のかみオモイカネ様と、戦神フツヌシノオオカミ様とともに調べてみることする。おそらくこの像はある種のチートアイテムであるはず。どんなチートなのか分析しないと。


 そういえばまだ授業の途中だったな。今日の授業はこれで終わりにしよう。



堯俊は架空の人物です。仏師ぽい名前を考えました。

信長様からの使者と堯俊。なんの関連もないようで繋がっていきます。

今後の展開が気になる・早く読みたいというありがたい読者様、いらっしゃっいましたら是非ともブックマークや各話の下部にある〝ポイントを入れて作者を応援しよう〟の星の部分を押してご支援のほどよろしくお願いいたしますm(._.)m

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