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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

地と空と雲の間に間に

作者:フィリップ心太
その雲は形を変えず、数十年もの間、空の一角を揺蕩っていた。
雨さえ降らさぬ薄気味の悪い大雲は、しかして真下の土地に豊かな実りをもたらす。
地元の人々からは、畏怖され、信仰されーー神々の住まう雲と。
【天上人の天地】と、そう呼ばれていた。
高く険しい山脈を登った場所に、天上人と交わる祭壇がある。
まことしやかに伝わるそれは、この地を統べる工業国家【ドグマ・ナグナ】にも必然届いていた。

ーー曰く。天上人は特別な力を持っている。

ーー曰く。天上人の天地は見た事もない動植物で溢れている。

ーー曰く。天上人は個でなく全を尊重し行動する。

ーー曰く。そこには地上のどんな宝石よりも眩く、地上のどんな物質よりも膨大なエネルギーを生み出す。

ーーーー天上の石があると。

空想や絵空事を求めず、科学技術でもって現実を切り開いてきた【ドグマ・ナグナ】が、不穏になっていく世界情勢の中、流言飛語に飛び付いたのは仕方のない事かもしれない……そうして、二人は出会ったのだ。

天上に住まう少女と。
地上に住まう少年と。

矮小なる人間の夥しい運命を焚べ、戦火の焔は悪魔の顔で全てを燃やし。燃やし。燃やし尽くす。
だが。それでも燃えずに残るものはあった。
これは。このお話は。
笑い合い。想い合い。手と手を取り合った。
少女と少年のーー二人の結末を綴った物語である。


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