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Souls gate  作者: 大野 大樹
八章 新生souls gate
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1.新生『souls gate』

「成程。それを私たちに‥というわけですか」

 Takamagahara。

 困り顔の村長に、難しい顔をした『楠』が向き合っている。


 『坎』の『楠』

 静かなる『水』を司る麗人‥

 表情に乏しく、冷たく見える外見、無駄がない簡明な物言い。しかしながら、面倒見がよく、凝り性。

 髪が長く線が細く女性的に見えるが、プロフィールに性別の表記はない。

 坎の卦は、『中男』だから、男だと思われるが、楠本人および設定でそのことについて語られたことは無い。

 明るく、分かりやすく優しく朗らかで、相談もしやすい『震』の『柳』と対比的に、優しさは分かりにくいけど、いざというときには頼れるオネエさま。誰が呼び始めたのか分からないが、レア専用掲示板での楠の愛称は『凍てつく孤高のツンデレ女王』だ。それはもう、満場一致で認められたらしい。

 ‥こわっ‥怖いよ。何、その『凍てつく孤高のツンデレ女王』って。絶対、マズイ奴だよ‥。女王様とか‥。アブナイ響きだよね‥。

 それを横から見ていた、柳さんが大笑いしていた。

「楠は、孤高って感じでも女王って感じでもないよねえ~。ツンデレは‥中らずと雖も遠からずって感じがするけど☆ 実際の楠を見たことあるの?! って聞きたくなるね! 」

 何が!!

 因みに、

『震』の『柳』の公式プロフィール

 朗らかなる『雷』を司る賢人

 男性女性に拘らず親切なオニイさま。頼れる兄貴気質を見せつつ、時に熱い一面も見せる。

 震の卦は、『長男』で、公式プロフィールでも、男性(male)と明記している(←柳の希望)

 柳さんは、僕らの中で唯一、キャラクター設定に注文を付けまくった。

 特にこだわったのは、キャラクターデザイン立案の際だった。「とにかく厨二っぽいのは嫌だし、いろいろネット上で遊ばれる要素はなるだけ出したくない!! 」と前面に出していたらしい。(それも結構マジだったらしい。これ、高橋さん談)‥何かあったのだろうか?

 桂も、楠もそれ(キャラクターデザイン)については、ノンタッチだった。しかも、完成するまで一度もデザイナーとも会っていない。デザイナーの高橋と会ったのは、完成してずいぶん経ってからなんだけど、‥高橋はどう思ったかは‥知らないし、楠的に知りたくもない。

 きっと、

 顔全然違うじゃない! 

 とかだろうか?(楠の憶測で高橋の意見ではありません)

 震の性格を意識したキャラ設定を柳さん自身でしていたが、‥彼の行動は全然そんなんじゃないからネット上で「キャラ設定イミフ(笑)」ってイジラレてる。(そう、結局イジラレている)

 因みにそのイジラレたキャラ設定。

 「女性に甘いフェミニストだが、男や目をかけた仲間には厳しく、短気な『頑固おやじ』気質」

 ネット上で変なあだ名付けられたくないとあんなに力説した柳さんの(ネット上の)愛称は『頑固おやじに憧れる愛べき保健室の先生』(笑)ああ、あの白いカッターシャツとあの『柳』さんの神経質っぽい見た目、お医者さんっぽいもんね。あれで、白衣とか着たら完璧! お医者さんじゃないけど、相談に乗ってくれるお医者さんっぽい立場‥『保健室の先生』か。そして、絶対に頑固おやじにはなれない男女問わない甘々気質。だけど、頑固おやじに憧れてるっていうね‥。

 柳さん、突っ込まれどころ満載です☆

 ‥因みに桂ちゃんは、万人のほっとけない妹的ポジション。頑張ってるんだけど、背伸びしてる感が抜けきらないそして、そのことを自分で認めて、もどかしく思ってる。そんな彼女の成長をみんなで見守っていきましょう的な。愛称は『souls gate唯一の守るべき良心』らしい。

 ネット民的に、ロりな外見だけど、大人ぶってるギャップも堪らないらしく、だけど、本人の意思を尊重してそこは暗黙の了解で口にはしないらしい。

 因みに、桂の公式キャラクター設定は

「少々華美な外見に反して、常識人。惚れっぽくて失敗することも多い恋多き少女」

 誰だ。

 実際、『桂』はちょっとキツめの美人だ。背は小さくって、だけど可愛らしいって感じじゃない。

 どっちかというと、生意気で性悪なガキ。性格設定がツンデレだから、心配したセリフを言ったら「デレてるな」って感じでほんわかされてしまう。

 因みに、桂はデレ多めで、楠はツン多め。(ってか八割ツン)

 あの公式キャラクター設定見た桂ちゃんの不本意そうな顔。ちょっと、忘れられそうにない。

 面白いね‥ネット。‥怖いね、ネット。

 

 話が脱線した。

 さっきの楠のセリフ。

 これは、新生『souls gate』の楠版のプロモーション(笑)だ。

 『souls gate』っていうのは、言うなれば、古事記を土台にした、神話の世界がテーマのRPGなんだ。

 そこに住んでいる住民は、自分の卦を利用しながら、採取や狩りなんかをして暮らしていくんだけど、時々、ボス的な敵が現れる。それは、クエストと呼ばれ、広場の掲示板に張り出される。だから、それを受ければ敵と戦わなければならないんだけど、中には全くバトル的なクエストは受けない‥って人もいる。

 バトルを希望するプレーヤーは、条件を満たして八卦表っていうのを手に入れて、八卦の力を持った八人のメンバーを集める‥。で、敵とバトルするっていうゲームだ。

 メンバーは一度集めればそれでずっとそのまま‥ってわけではなく、メンバーチェンジも自由だから、その日そこに集まったメンバーでチームを組んで、バトルする‥ってこともよくある。そこで気があって、次のバトルにさそったりと、色んな楽しみ方がある。

 一般のプレーヤーは‥って話だ。

 上級のプレーヤーは、そうじゃない。舞台からして違う。

 上級のプレーヤーは、八卦神と呼ばれる特別な存在で、一般のプレーヤーと一線を画する存在なのだ。八卦神は採取や狩りなんかしない。専らバトルしかしない。フリーダムに生きてる神様同士、今日は敵明日は味方って感じの騒がしいゲームなのだ。

 力を持つ者が集まれば派閥が出来るのでは? って感じなんだけど、‥まあ、派閥っぽいものは出来るがそう人数がいないから今のところ問題はない。(レアって呼ばれる上級のプレーヤーは本当にすくないんだ)

 さて、今回リニューアルされたのは、この上級のプレーヤーの分の『souls gate』だ。

 ストーリーはこうだ。

 『souls gate』の舞台である、『takamagahara』(社員寮と同じ名前って‥なんて芸がないんだ)そこでこの頃、問題が起こっている。人智・人力ではどうしようもない問題に、Takamagaharaに住む人間の村長(一応普通の人間も住んでいる)が八卦神に相談に来るところから話は始まる。

 因みに、楠版のプロモだったら、楠に、だ。

 普通のクエストだったら、掲示板に張り出されるんだけど、事が大きいから、相談に来たのだ。

 因みに、普通のクエストだったら、受けるかどうかは選べるんだけど、今回は、強制って感じだ。受けなかったら話が進まないしね。

 で、あのセリフ

「成程。それを私たちに‥というわけですか」

 だ。

 そう。私たち、だ。

 楠と、それから‥『プレーヤー』。

 ここから、8人で依頼を遂行していくってわけだ。

 因みに、相談に乗るってだけなのに、いつもの普段着じゃなくって、ちょっと畏まった服を着ている。いつもは、空手の道着って感じだのに、今は、ちょっとした正装だ。正装って言って、スーツとかじゃない。普通の服ですらない。ファンタジー感満載の服だ。‥おい‥これが、楠の『仕事着』じゃないだろうな‥。どこぞの魔法使いみたいになってるけど‥。

 所謂ローブって奴だろう。(多分)

 辛うじてあったスポーティー感すらなくなって、いつにもましてオネエさま度が上がってる。いや、『孤高の女王様』度か。

 しかも、このプロモは僕の意思に関係なく流れていく奴だ。自動再生ね。だから、これは‥『楠』の顔をした僕じゃない他人だ。

 僕なら絶対しない、気だるげでアンニュイな表情も、ニヒルで大人っぽい「にいっ」って感じの笑みも‥。

 ‥『孤高のツンデレ女王』に寄せて来たのか?! って突っ込みをいれたくなる。

 絶対、高橋さん面白がってるだろ、僕で。

 ついでに、‥梛と桂ちゃんも。(ストーリーを考えたのは梛と桂ちゃん)

 『楠』『桂』『柳』この三パターンのオープニングしかない。

 そう。

 つまり、初めからついてるチューターのプロモが流れるのだ。

 アズマは、もう『柳』さんはチューターを卒業してるんだけど、もともと『柳』さんがチューターをしていたから、『柳』さんのオープニングから始まる。もうメンバーに『柳』さんは入っていないんだけど。

 翔のチューターも柳さんだった。そういえば、オープニングのプロモを見て、大笑いしてた。

 全く設定は一緒なんだ(勿論の事なんだけど)

三人三様セリフと、キャラクターの服装がいつもと違うのが、‥売りなんだろう。

 因みに柳さんは

「わかりました。お任せください」

 って。(服装、ほぼ同じじゃないか!! ってか、スーツか?! サラリーマンか?!)また柳さんはデザインに注文付けたんだろう‥。

 桂ちゃんは

「わかったわ。私が何とかするわ」

 だ。

 あ、飛鳥美人みたいな格好になってる。

 ‥アズマも『兌』だったから、『兌』は皆この格好に統一するのかな?

 アズマみたいなスポーティーなズボンじゃなくって、ちゃんとスカートタイプ(裳っていうらしい)になっている。

 こっちも、普段の『桂』ちゃんじゃないな。

 『兌』っぽい、ちょっと蠱惑的な笑顔で、にやりと笑っている。小悪魔‥。

 一応、設定「惚れっぽく」だもんね。

 全然、現実の桂ちゃんとは違うけど‥。

 これは‥絶対高橋の独断だ。桂ちゃんに相談とかなしで行っただろう。桂ちゃんちょっと羞恥心で悶絶してるし。

 ‥顔真っ赤で可愛いけど。

 このプロモ見せに来た高橋さん、そんな桂ちゃんをニコニコしながら見てるし。


 ‥好きな子を虐めるとかって、イマドキ小学生でもしないぞ。高橋さん。

 (そのまま「想いは届かず」で嫌われるパターンを推奨するね! )



 そんなこんなで、新生『souls gate』がスタートしたのだった。


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