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Souls gate  作者: 大野 大樹
二章 『souls catch』と『Souls gate』
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5.八卦表

「八卦表は開いて見たことある? 」

 こてり、と首を傾げる悩殺可愛いアズマ先輩に、僕は「首を振る」という動作を選択した。

 無表情で「ありません」とか言うより、余程いい。

「まずステータスボックスから「MY八卦表」を選択して「見る」を選ぶ。君はまだ、選択肢がないから、「メンバーを選ぶ」は使用できない」

 しかし、アズマ先輩のこの話し方、社会人の人なのかな。凄く、しっかりしてる。

 案外、おじさんだったらどうしよう‥。

 いや、考えないでおこう。MYフェアリー・アズマがおじさんとか、ない。

 しっかりしろ。那須。

「はい」

 こくん、と那須が頷く。

「やってみて? 」

 ステータスボックス‥ああ、これか。「MY八卦表」‥。「見る」を選択。

 八卦の卦が顔つきで出て来る。イラストの横に卦。名前がないのは、仮のメンバーだからか。それから、属性。ランク。HP。

 でも

「一人だけ名前が入ってます」

「運営の人かな? 」

「わかるんですか? 」

「そういう名称が正しいかどうかは分からないんだけどね」

 あ、駄目だ。話だけ聞いてたら、アズマ先輩がサラリーマンに思えてきた‥。しかも、管理職。

「ああ」

 打ちひしがれた僕は、何となく頷いた。

「で‥あの。運営の人って? 」

「‥そうだな、このゲームを作った人? 」

「成程」

「僕の時にも入ってたよ。操作方法とか、いろいろ教えてくれたり、「悩んだりしてない? 」って心配してくれたり、凄くいい人だった。今は、僕の八卦表からは抜けてるけど、時々ゲーム内で会って話したりしてる」

「へえ」

「その人は、柳さんって言ったっけ。震の卦の人だったよ」

「僕と同じですね」

「そうだね。でも、見た目は違ったな。『長男』の震らしく、スラっとした大人の男性だった。なんだかカッターと綿パンって感じのラフな格好して、眼鏡を掛けてた」

 ‥一般人か。ゲームのキャラクターっぽくないな。

 ‥『長男』の震。そうだ、震は『長男』だ。だのに、なんで僕、こんな「少年」みたいなんだろ。

「そういえば、あの人も漢字だったな。ああ、そうか。君って運営の人? 」

「僕は、そういうのではないです」

「‥そうだね。何も知らない初心者の君が運営の人ってのはおかしいね‥」

 アズマ先輩が俯いて首のあたりをガシガシとかいた。

 ‥照れてる。

 可愛い人って、やっぱり何やってても可愛いんだ‥っ。

「はあ。そうですね」

 無表情、いい! パソコンの前でどんなに萌え悶えててもばれない‥っ!

「で、その人どんな人? 他人の八卦表のデータは見られない様になってるんだ」

「ええと。名前は‥。楠。卦は『坎』。大人って感じの人ですね」

 美人さんって感じ。坎は、たしか『中男』‥。中男って何だっけ? 長男ってのがあるから、次男みたいな感じか? でも、その下が少年だから、大中小の中なのかな。‥そういえば、そういうの、あんまりわかんないなあ。さっき、アズマ先輩が『長男』の震らしいって言ってたの聞いて初めて意識した位だ。

「あ、美人ですよ? 」

「美人って言っても、アバターだしね」

 男を強調するアズマ先輩だから、もしかしたら気になるかなあ? って思って付け加えてみた情報は、しかし、どうでもよかったみたい。

 うん。僕も結構どうでもいいや。

 恋愛は、男も女もノーセンキュー。興味ないんです☆

「また、その人がいろいろ教えてくれると思うよ。メッセージが送れるから個人の掲示板に残して置いたら? メッセージの送り方教えるよ」

 可愛い先輩のアズマさんは、ホントに優しい頼りになる先輩なのでした。

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