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プロローグ
僕が生まれた世界はどうしようもなく平凡で退屈でつまらなかった。
家や学校はそれなりに楽しかった。
だが退屈だった。
友人や家族はそれなりにいい人だったし一緒にいて楽しかった。
しかし退屈だった。
退屈だ。
何をしてもつまらない。
つまらないのは世界ではなく自分だと自覚していた。
だが、自覚したところで何も変わりはしなかった。
楽しいとか悲しいとか感じることがあっても、すぐに退屈を感じる。
退屈を満たすものが僕の生まれた世界には存在しなかった。
……僕の生まれた世界には。