未知との遭遇8
そして3日が経過した。
「おかしい」
「お前の頭がか?」
「それは元からじゃろ、まぁ、ここ数日は一人でスニーキングミッションごっこが度をこしとるが、先生も怖がっておったぞ」
「お前ら殴られたいのか?」
「喧嘩、喧嘩」
仁はウキウキしながら両の拳を構える。
「それはあとだ、いいか、この間から言っているように俺は羽のミュータントと、しゃべるカラスを見てから、ここ数日俺の平穏な日常は壊されっぱなしだ」
「あぁ、壊れてるな頭が、」
「だからそうじゃない。通学中も、学校でも、家にいてもトラブル続きだ!朝起きては間違いメールや間違い電話、通学路でも何かにつけて接触事故まがいの出来事ばかり、学校でもさっきも階段から人が落ちてくるし、それに午前中も渡り廊下で因縁をつけられる」
「あぁ、あのパンツか」
「突風でスカートがめくれてるのにガン無視して、見たでしょっ、ていいがかりをつけられたら滔々といかにそれに興味がないかを真顔で見下すように演説。
あれ、いいな、絶対お前痴漢の冤罪とかならないぞ」
「なんでお前らが知ってるんだ?」
「いや、その子お前のせいで逆に超落ち込んで、話題になってたし、お前、彼女への興味がいかにないかを説明するために、知れっと彼女の欠点あげつらってるからな」
「事実を言ったまでだ。それにそれだけでもない、昨日も帰り道でも、今時集団で女性にからむ不良グループに、ちょっと電車に乗れば満員でもないのに痴漢だぞ」
「お前それ本気で警察に怒られてたらしいな、やりすぎだって。ついでにタバコのポイ捨てでも、お前車に走って追いかけて引きずりおろしたらしいな」
「それは日常だ。自分で捨てたゴミくらい自分で拾わせるのが信条でな。俺の星を汚すとは何様だ」
「お前こそ何様じゃい、聞いとるぞ、被害者の女は加害者よりもお前の方が怖くて警察を呼んだと」
「クズは好かん。他人に干渉し迷惑をかける。いいか害虫を追っ払っても別のところで同じことをする。だから駆除しなくちゃいけないだろ、そのために恐怖を植え付けるのは当然だ。これも社会の秩序を守るためだ」
「お前時々本気で怖い」
「とにかくだ、統計的に言っても俺の身の回りで起こるトラブルの率が異常だ」
「お前がトラブルを大きくしている気がせんでもないがのう」
「ということであれを捕獲する?」
「あれ?」
「いいか、ちょっと耳を貸せ」