表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/63

未知との遭遇6

「さっきからの違和感。お前か、俺を殺すことが目的か、その羽、ミュータントか」

「嘘、なんで、というか私に触った?どうして!」

「シエル様!」

空人が鎌をへし折り、その拳が何のためらいもなく、彼女の行動を制限するために振り下ろされようとした時、通常よりも2周りは大きなカラスがその翼をはためかせ、突風を巻き起こし、空人の手を離させた。そしてシエルは空人の射程距離外の空中まで距離をとる。

だが、空人はやはり間違いなくこちらを認識している。どういう事だ?見えるはずがない。

だから触る事なんて決して、シエルはその腕に残る掴まれた感触に恐怖を覚える

「ありがとう。セフィラ」

「セフィラ、それがそのカラスの名前か、この感じ、ようやく聞こえるようになったし、だいぶんはっきり見える、お前らか、ここ数日の違和感の原因は」

「あなた一体」

「シエル様!何も話してはいけません、とりあえず引きましょう」

「……襲ってきておいて、理由は教えられない。でもその眼、俺への怒りは本物のようだな。どうだ、せめて理由くらい話はしないか、こう見えても俺は物分かりがいいんだ。

殺される明確な理由があれば殺されてやらないこともない」

「……一つだけ」

「シエル様!」

「私たちはあなたを殺さない。そんな事をすればそれで終わってしまう。それ以前に私たちは命の尊さを知っている。何万何億という命を奪いあなたとは違う。この悪魔」

しばらくの間二人の間に、無言のにらみ合いが続く、だが、人の気配がしだすとセフィラによって半ば強制的に二人は、そのままはるか遠方に消えていった。

「どうした?珍しい、こっちから登校」

「なんじゃ、空人か、どうした朝から深刻そうな顔をしおって」

空を呆けて見上げるに、空人に同学年の雷仁と蛮田長治が話しかける。

二人は、唯二、積極的に空人に話しかける宇宙でも稀有な存在だ。

校則違反のアクセサリをつけ、胸元を開き、死んだような眼をしているのが雷仁。祖父から古武術雷流を教えらた戦闘狂。普段何を考えているか分からないが、言葉が通じないわけではない。空人の唯一の親友で、よく空人に勝負を挑んでくるが、今までに一度も空人に勝った事がない実質的この地域2番目の実力者だ。

そしてもう一人、大柄で如何にも昔ながらの不良と言わんばかりのブレザーよりも学ランが似合うような風貌の男が蛮田長治、番長を自称しているが、高校進学直後、空人に喧嘩を仕掛けるが、圧倒的な力差でねじ伏せられた。それ以来こちらも何かにつけて空人に喧嘩を吹っかけてくる。性格も見かけどおりだが、決して教師には逆らわず、弱い者いじめは嫌いな漢字の漢と書く生き方を信条とする男だ。

蛮田は空人に勝ちたいという気持ちはあるが、認める男でもあり友だとも思っているが、空人の方は友達だとは思ってない。

「いや、さっきの、あれ」

空人は空を指さすが二人はその咆哮を見つめ怪訝な表情をする

「あれ?」

「いや、何でもない。それよりお前たち一緒に登校してるのか?こんな時間に?」

「いや、今日は何となく早く起きただけ」

「わしもじゃ、一緒に折るのは偶然じゃ、しかもお前もとは運命を感じるのう」

「お前らと一緒にするな」

空人は二人を無視し、一人先に早歩きで行こうとするが二人はそれについてくる。

「ついてくるな」

「なんじゃその物言い、方向は一緒じゃ、なんじゃ、虫の居所が悪いのか」

「俺は一人が好きなんだよ」

「ひゅー、一匹狼、かっこいい」

「殴るぞ」

「殴るー、勝負、勝負」

「お、喧嘩か、いいのう、せっかくじゃからわしも」

「……しねぇよ。馬鹿馬鹿しい」

空人は二人を無視し、さらに歩く速度を上げる。

今はこいつらに構っている暇はない、それよりさっきの

「なんじゃ、変じゃのう、」

「悩み事か?聞いてやろうか?」

「お前ら、死神の鎌を持った天使が襲ってきて悪魔って言われた、って言ったら信じるか」

二人はその言葉に凍り付く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ