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変化6

「まぁ、お主に彼女ができたのならそれは喜ぶことじゃのう、わしもお前に殺されとうはないからの、しかし意外じゃな、お前がそんなに嬉しそうにしとるなどと、」

「……うるさい」

「否定はせんか、なるほどのう、夏休みを開けてからお主の様子がおかしいと思えば、そんなに好きなのかその人の事」

「……それは、その、」

「まぁ、お前の事じゃ好きにせい、これ以上は聞かん。仁じゃないが、お主が身にまとっとる殺気のようなものが揺るんどる。まぁ、今のお前ならわからんでもない。

とは言え、せっかくじゃ、その人だけじゃのうて、他の人にも少しは優しくしたらどうじゃ。麗華は相も変わらずお前のことを怖がっとるし、周りと仲良うしといた方がいいじゃろ、もう少しで文化祭じゃ、お前の様子を見に来て例年通り、一人で学校の隅に折ったり、お前が通るたびに場の空気が凍り付くようじゃ様にならんじゃろ、」

「別に文化祭に呼ぶ気はない」

とは言え、他の人にも私のように接してくださいとは結愛に言われた。

「それに限らずじゃ、今までわしはお前には人の感情というものが通用せんと思っとたし、そこが変わる事があるとは思っとらんかった。

じゃが、そうじゃないならお前は変わるべきじゃ。人の道を踏み外す前にのう。

どうじゃ、警察官なんぞ目指しても、今のお前ならやりすぎることはないじゃろ」

「別に興味はない、俺は俺の正義を貫ければそれでいい」

「正義の味方じゃ食っていけんじゃろう。せっかく彼女もできたんじゃろ、いい機会じゃ」

このビジュアルの奴に将来を心配されたくはないと思わなくもないが、

「しかしまぁ、わずかな期間にお前をそこまで帰るとは大した人じゃのう、その結愛さんという人は、何か機会があればあってみたいものじゃ」

「えぇ、それはもうできた人ですよ。この悪魔を見事に手なずけて、命令するのではなく、自然にそうなるように促す。とにかく人の意見には反発する人ですから、ビースト、いえデモンテイマーの称号を与えてもいいほどです」

「シエルさんじゃったかずいぶんと久しぶりじゃのう、よかったのう、おんしらの努力も報われて、キューピッドは伊達じゃないのう」

「何しに来た」

「一つ訂正をと思いまして、」

「訂正?」

「はい、長治様、先ほど空人様はまるで結愛様の事を恋人の様に言っておられましたが、実際はまだそこまで発展しておりません」

「そうなのか?」

「べ、別に、俺は一言も恋人などと言ってはいない」

「ですが、いつもの様に否定しませんでしたよね。いつもであればいちいち訂正しなくてもいいようなことも逐一訂正していくのに、」

「そ、それは時間の問題、というかいずれは」

「とは言え、何かと機というものはあるからのう」

「機?」

「そうじゃ、わしがそうじゃろ、麗華とはずっと一緒に居ったが、付き合いだしたのは高校に入ってからじゃ、それこそ高校合格という機会がなければこういう風にはなっとらんかったかもしれん」

「そういうものなのか?」

「そういうもんじゃろ、特にお主は一緒に住んでおるんじゃろ、一歩間違えれば家族のまま、時間が流れ、別に場所で別の男をということも、」

「結愛さんはそんな人じゃない!」

「語れるほど何を知っていますかといいたいところですね、」

「えぇ、それこそ、恋人でもないくせに何を言うかというものです。空人様、時間の問題だとおっしゃいましたが、結愛様は既に成人された女性。いつどこで恋の一つや二つ生まれてもおかしくないのですよ。それに空人様は年下の未成年。結愛様からしてみれば、これからの高校、大学と様々な出会いがある中、大学を卒業するまで待っても自分の事を好きでいてくれる保証というものないでしょう」

「俺はある!」

「それだけ力強く申されるのであればそれもいいでしょう、信用にたるものになるかもしれません。ですが空人様はご自分のその思いを結愛様に伝える事を躊躇っておられます。

それでは結愛様も安心はできません。現状維持による時間の経過はお二人の状況ではプラスに働くとも思えません、これからお二人は変わっていく、ならば確約があっても、」

「それはこの間説明しただろ。わざわざ嫌味を言いに来たのか」

「いえ、そうではなく、善意による助言です。そうですね、それじゃ、こちらを」

そういってシエルはまた人間関係の相関図を展開させる。

「これは結愛様のものです。プライバシーのため、一部個所は隠させてもらっております」

「!誰だこいつは」


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