挑発5
空人が押し切る形で読ませる事に、とりあえず、自分は棚に上げてこいつもろくなものじゃないと判断したからだ。
「蛮田長治、取扱難易度A」
「あー、お前、難しいもんな」
「うるさい、黙っておれ、」
「長治様は今のままで素敵ですが、もし思うことがあれば、ご参考ください」
「ワンポイントアドバイス、兎に角怖がらずに、見た目に惑わされないように
概要、仲良くなるまでの難易度は決して低くはありませんが、一度親密度が上がれば少しのことでは好感度が低下することはありません。裏切る事がなく心強い味方となってくれるでしょう。また時折、無口になり、怒っているように見える事でも、怒っている事は少なく、言い過ぎた、傷つけていないかと後悔から考え込んでいるだけの事が多いです。
怒らせても誠意をもって謝れば、大抵の事は許してくれます。積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。
とまぁ、こんなところですか、ここから先はこれまでの経歴等たぶんにプライバシーに触れるところになりますので、お気になるようでしたらまた後日でも個別にお尋ねください」
「な、な、ちなみに俺は?」
「では続きまして、雷仁様ですね。えっと、仁様は、取扱難易度A+」
「けけけ、さっきよりもたちが悪いじゃないか」
「ワンポイントアドバイス、兎に角気を強く持ち、気にしない事が大切です。
概要、自分が言われて嫌な事は相手にも言うな、それを彼が破ることはありません。
もし彼の言葉で傷ついたとしてもそれは本人に悪気はありません。
時として深い意味もなく放つ言葉で傷つく事があるかもしれませんが、気にする必要がありません。逆にあなたの言葉で傷つくこともほとんどないため、思ったことは口にしましょうそうすることで、あなたに対する接し方も変わってきます。
また感情の起伏が少なく、恋人や家族でなければ積極的にコミュニケーションをとる事はありません。少し疎遠になっていても気にせず昔のように接して問題ありません。
親密になりたいようなら、距離感を覚え、少ない感情の起伏を感じ取れるようになりましょう。飽きっぽく、浮気症な所がありますので、行動にはしっかり目を光らせましょう」
「浮気性。お前最悪だな」
「では最後に、」
そういってセフィラは、今度は紙ではなく、禍々しい黒い大きな本を顕現させる
「なんじゃこれは百科事典か?髑髏、魔術書か」
「いいえ、風上空人様の取扱説明書の簡易版です」
「簡易版…」
何とも説得力のない言葉だ。これで簡易という事が既に内容がどうであるか、
言わずもがな、と3人とも理解した。