無
何も聞こえない
何も感じない
何も求めない
何も信じない
何も
何も
何も…
それが一番楽な道だと
知っているから
何も怖くない
何も恐れない
何も聞かない
何も
何も
何も…
無が
無だけが
私を迎えてくれる
知らない
見ない
聞こえない
私は
全てを拒絶する
私を見下すものも
卑下するものも
束縛するものも
何もいない
何もいらない
何も
そう
だから
私もいらない
いらない
いらない
いらない
いらない
いらない
いらない
いらない
いらない
いらない
全てがいらない
うるさい
…
いらない
いらないはずなのに
…
なんでこんなにも
考えなければいけないのか
全て
全て
拒絶したはず
それなのに
目頭が
熱かった
こぼれた水は
温かい
ああ
私はまだ
まだ…
無にはなれないのか
いや
なることは
出来ないのだ
私は無を愛す
心地よさを
知っているから
それでも無は
私を優しく包んだあと
いつの間にか
いなくなって
私をまた
一人にする