表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

●謎2 文と武、そして美とはなにか

まだまだ、いんちょー視点です。


 さぁぁぁぁっ、と、シャワーの音と、湯気が一面に。真っ白に。

 けれども私たち特殊部隊の人間は、その煙幕を通り越して、そこにいる人間の形を見ることができる。これもまた、五感のとぎすましである。

 それをふまえて聞いてほしい。

 ……なんだろう、あの美しすぎる裸身は。



 ゆるやかにウェーブを描く金髪が、流れる湯をはじく。

 「いますぐにハグでもしたい! けど力入れすぎたら壊れそう、けど、ええいむしろいっそ壊してやろうか」的なヨコシマな感情を抱くほどの、細く、細く、柔らかそうで、白い肌、体つき。私はヘンタイか。

 目をじっと閉じて、湯浴みをしているその姿。

 胸の大きさは下品でなく、下半身のスタイルも均整がとれている。レースクイーンにも、娼婦にも、深窓の令嬢にもたどり着くことができない、神の造形たるその裸身。

 ああ、バランスがとれているということは、これだけですでに「美」なのか。

 やわらかそう。しゅっと引き締まった姿は抱き心地がよさそう。髪からすっごいいい匂いがしそう。


 

 ということを、キギフィのシャワー姿をチラ見しながら思った。私はヘンタイかっ。

 今日はシャワー室にいるのは、私とキギフィだけなのだが、いつも同姓のみんなは、キギフィをチラ見している。ヘンタイは私だけではなかったんだ……。

 いやいや、安堵してどうするのだ。私はあの子が嫌いなんだから。

 これはあれである。普遍的美、というものだ。

 とにかく、要するに、キギフィは、美少女なのだ。

 ユーゲントの、ギーク・ナード的な班(諜報部とか)は、オタク趣味ということでいつも「画面の中から嫁がでてこねえかな」みたいな戯れ言(狂った妄想である)を言っているが、そんなことを言わなくても、もうここにいるではないか、との思いを強くする。

 とは言うものの、私はこの娘が嫌いである。規律というものを重視しないし、やる気があるのだかないんだかわからないし。そう、真剣見というのが足りないのだ、この子には。

 いらだたしい。それなのに、才能ひとつとれば、この子の方が段違い。

 それでいて、この美貌、どうしたものか、と思う。


 

 きゅっ、とシャワーを締め、キギフィは髪をかきあげる。裸身が上向きになり、美しいうなじが大変に魅力的である。神々しい。

 ……はぁ。

 嫌いなはずなのに、こうして、目が、なんだかんだで離せないのである。私が悪いわけではない。この子が、そもそも美しいから悪いのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ