15.プレティーニ脱獄事件(1)
俺は次々と牢を開け、中にいる男達を解放していく。
男達は例外なく出てくるたびに俺に礼を言ってくる。
全員を解放し終わると、ボルンが俺の元に来て首のチョーカーを触りながら口を開いた。
「で、このチョーカーはどうするんだ?」
......知るか。
そもそも何でできてんだこれ。
「おい、このチョーカーについて知ってる奴いるか?」
仕方なく周りの奴らに聞く事にした。
「よく知らねーが.....このチョーカーは魔道具だ。魔力が宿ってて専用の器具がねーと外せねぇらしい」
1人の男が俺に答えた。
魔道具ってのが何なのかしらないが面倒だな。
俺は別に付けたままでも問題ないと思うが......いや、これは犯罪者の印にもなるか。
俺も取っておくべきだな。
「......ひとまずここで考えても仕方ない、外へ出るぞ」
俺が先頭を歩き、それに続く様にボルンが俺の横を歩く。
その他の仲間となった男達が俺の後ろをついてくる。
「そういや、俺にどんくらい魔力があるとか調べる方法はあるのか?」
俺は横を歩くボルンにずっと気になっていた事を聞いた。
この世界には魔法やらスキルが存在する。
どれも魔力とかいうのを消費するらしいから、魔力はこの世界で重要な要素だ。
俺もスキルを覚えられれば犯罪がやりやすくなるかもしれん.....できればどんくらい持ってるか知っておきたいが......。
「悪いな兄弟、確か魔力総数を測る魔道具なら帝都に存在するらしいが、まだ数が少ないらしい。あんま情報持ってないんだ」
いつから兄弟になったんだ俺たちは。
けどまぁ、別に兄弟呼びは嫌いではないし指摘しないでおくか。
「いや.....まぁいい、スキルってのを手に入れておきたいんだが、どうやったら手に入るんだ」
「ひたすらに修練だな、手軽に手に入れられるスキルはその分弱いし、強いスキルはそれ相応の時間と才能が必要になる.....噂だが強い奴から生まれた子供は親のスキルを受け継ぐって聞くが、今んとこ見たことがない」
まぁ.....そうそう美味しい話はないか。
そんな事を話していると廊下の奥にある扉の前に着いた。
さっき兵士が入ってきた扉だ。
俺はその扉を少し開け、チラッと様子を見ると.......中には椅子や机が並び、壁には剣が掛けられ、ベットが4つほどある。
恐らく脱走者対策の兵士の待機所ってところか、そこそこ開けた部屋だ。
だが不自然に人の姿はない、他の兵士はどこにいった。
そんな疑問を抱えながらも、部屋に入り進むと、外が見える窓の付いた扉を発見する。
「中庭か....」
中庭は暗く、見つからないよう移動するには丁度良いかもしれない。
「外に出るのか?」
その扉のドアノブに手をかけた俺に、ボルンが聞いてきた。
「このまま出口のわからない建物内をうろうろするより、ひとまず中庭に出て外に出れないか確認したくてよ」
「確かにな、よし」
俺が扉を開け、それに続きボルンと全員が外に出た.......その時。
バンッ!
俺たちが入って来た扉が、勢いよく閉まった。
最後に入った奴は慌てて扉を開けようとするが、開かない様子だ。
「くそ!!魔法で閉められてる!!」
「何!?」
仲間たちが扉をバンバンと叩いている中、俺は嫌な予感がしてきた。
これは罠だ、バカ共が騒いだあの時、脱獄に気づいた兵士共が待ち伏せしてやがったか。
『<ライト>!!』
何処からか声がした次の瞬間、中庭を照らす明かりがついた。
「何だ何だ!!?」
「待ち伏せか!?くそっ!!」
仲間達が狼狽える中、暗かった中庭に集団の影が現れた。
気付けば目の前に兵士が20人程並び、さらにその後方には魔法使いと思われる奴らが5人いる。
内三人が手に持つ杖から出ている光が中庭を照らしている。
「全員、今すぐに床に伏せ、手を頭の後ろに置け!!さもなくば死刑を宣告するッ!!!大人しく従えば脱走の罪は免除しよう!!」




