4.婚約破棄はすぐそばに
とはいえ、綺麗な面でいつもはすましているウィリアムも獣並みに強い性欲を持ち合わせていたことにはプッと吹き出しそうになった。
(こいつら、どこでも盛ってやがる…、おっと言葉遣いが悪くなってしまいました)
ウィリアムの裏切りには呆れつつも、2人の逢瀬の裏で行ってきた王妃教育の努力が無碍にされているようで、ジェーンは少々苛立っていた。
けれども、最後に流れた映像にジェーンは驚愕する。
それはパーティーでリアへの嫌がらせを理由に下位貴族を軽んじる人間は王妃に相応しくないという言い分で、ウィリアムから婚約破棄を言い渡されてしまう自分の姿だったからだ。
しかもリアとの結婚をその場で発表したことで、逆上したジェーンがリアに襲いかかろうとしたところをウィリアムに取り押さえられて、王太子妃のリアを害そうとした罪でそのまま逮捕&処刑されてしまうのだ。
そしてその後、ウィリアムとリアが愛する人々に囲まれて、盛大な結婚式を挙げているところで映像はぷつんと途切れた。
(あれ、婚約破棄されている時と今着ている服や場所が同じだ…。つまり、このパーティーで僕は婚約破棄されてしまうのか…)
そう気付いた瞬間、ジェーンはある可能性に辿り着いた。