37.強く抱き締める
ジェーンは入口から一直線にベッドへと向かって、そのまま端に座った。
カーティスに少しでも自分のことを意識してほしいという気持ちが無意識にも表れた行動だった。
対するカーティスは人一人分の空間を空けて、ジェーンの隣に腰かける。
「今更だけど、体は大丈夫か?ウィリアムが力ずくで襲いかかろうとしたんだろ?痛めたりとか怪我したりとかしてないか?」
「えぇ、全然大丈夫ですよ。スーツのボタンに手をかけてこようとしたので、そのまま押さえ込んですぐさま縄で縛りましたから」
「そうか…。ジェーンが無事で良かった…」
「心配していただき、ありがとうございます」
「そんなの当たり前だろ?ジェーンは俺の大事な妻なんだから」
「はい、そうですね…」
カーティスから『大事な妻』だと面と向かって言われて、ジェーンは心の底から嬉しさを止められない。
先程ベルに放ったのとは違って、守るための言葉ではなく、2人きりの状態でジェーンだけに届くように伝えられたその言葉に思わずはにかんでしまう。
その愛らしい表情はカーティスに彼自身が作ってしまった隔たりを一気に飛び越えさせた。
カーティスはジェーンを正面から強く抱き締めたのだ。
「カーティス様…!?」




