32.驚くべき光景
「ジェーン!」
カーティスが貴賓室の扉を開けると、驚くべき光景が眼前に広がる。
「僕はあなたのことなんてこれっぽちも愛していませんから!むしろ嫌いです!もう本当に大嫌いなんです!そもそも僕が愛しているのはカーティス様です!あの方をおじさん呼ばわりしましたけど、容姿も性格も王としての資格もあなたにはカーティス様よりも何1つ勝っているところなんてありませんから!」
ジェーンは大激怒しながら、一糸乱れぬ姿のままで縄でぐるぐる巻きにしたウィリアムをシャンデリアに吊るし上げていた。
(※危険なので、真似しないで下さい。ウィリアムに対してのみOKです)
どう見ても、これは不貞ではなかった。
「はぁ、僕としたことが…。やっぱり罠だったんですね?」
ジェーンは目に怒りを灯しながら微笑んで、カーティスのいる方向を見る。
身に覚えのないカーティスは驚いて、自分の隣を見る。
そこには後から追ってきていたらしいベルがそこにいた。
「僕、あなたのことを思い出しましたよ。ベル・キューブ。ウィリアムの近待の1人、ロバートの双子の妹ですね。学生の頃はあまりにも派手で下品なお化粧をしていらしたので、今の地味なモブ顔とはかけ離れていて思い出すまでに時間がかかりました。…これはベルとウィリアムで仕組んだ茶番ですよね?」




