22.一人寝のジェーン
光り輝く月を雲が覆い隠し、辺り一面に闇が広がるある夜。
ジェーンはおもむろに寝巻を脱ぎ捨てた。
そして下着姿で鏡の前に立ち、自分の身体をまじまじと見つめる。
陶器のように白くて、滑らかな肌。
手足はすらりと長く、全体的にほっそりとした印象だ。
自分で言うのも手前味噌だが、決して悪くはないと思う。
悪くはないのだが、いまいち魅力に欠けているということなんだろうか?
リアは男性でありながら、服の上からでも分かるほどに肉感的な体つきだったなとジェーンはふと思い出す。
決して太ってはいないのだが、見る者に柔らかな印象を与えていた。
彼の二の腕や太もも、お尻は適度に肉づきが良い一方、腰の辺りは細くくびれていたのだ。
(カーティス様もああいう身体がお好きなんだろうか?)
ジェーンはそう思って、はぁと大きな溜め息を洩らした。
「今夜も寂しく一人寝か…」
半年ほど前にジェーンとカーティスは婚礼を挙げた。
だが、2人で迎えるはずの初夜にカーティスは現れなかった。
それどころか今日に至るまで1度もジェーンの寝所を訪れていない。
けれども、嫌われてはいないはず。
政務の合間を縫って足繁くジェーンに会いに来てくれるし、どれだけ忙しかろうと食事は欠かさず共にする。
なのに不思議と夜になると、彼は寄り付かなくなるのだ。




