20.卒業パーティーの失態
「そう言ってくれる人がいると嬉しいな」
「でもジェーン様はカーティス様とは今まで1度もお会いになったことがないのですよね?」
「えぇ。カーティス様は王嗣となる前は何をされていたのですか?」
「2年ほど理事長をなさってました。そういえばジェーン様の母校ですよ?」
「2年か…。だとすると、僕はちょうど卒業していますね」
「あぁ、でも就任の少し前にあった卒業パーティーには行かれたとか。それならジェーン様が出席されていたの…、あっ!」
ペネロペは話している途中に「しまった!」という顔をし、そのまま黙って俯いた。
(『卒業パーティーでジェーン様の婚約破棄があったのに!あぁ…!私ったら、口を滑らせてジェーン様に嫌なことを思い出させてしまったわ!何てことをしてしまったのかしら!』って顔にそのまま書いてますよ、ペネロペ…。動揺が分かり易過ぎて、むしろこっちが対応に困ってしまうな…)
ジェーンはペネロペの様子に困惑しながらも、どうにかこの空気を切り抜けようとする。
「えーっと、パーティーについての発言はお気になさらず…。あの時は僕も幼稚な真似をしてしまいましたし…。それよりもカーティス様はパーティーにいらっしゃったとおっしゃいましたけど…、ん?えっ?僕、見られていたってことですか!?」




