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1.婚約者からの冷遇

毛先だけがくるんとカールした愛らしいブロンド、吸い込まれるようなエメラルド色の瞳、理知的な印象を与える細いフレームの眼鏡。


そのどれもが公爵令息ジェーン・アンテノールの美しさを引き立てている。

にも関わらず、彼は婚約者であるウィリアム・シャルパティ殿下に冷遇されていた。


男性・女性問わず妊娠が可能なこの世界では同性同士の結婚は普通のことだ。

ウィリアムがジェーンを冷遇する理由は性別ではない。

ただ単にウィリアムはジェーンではない相手に恋をしているのだ。

だから学園の卒業パーティーであるこの日も彼はジェーンを誘ってはくれない。


会場に着くと、取り巻きじみた学友が纏わりついてくる。

彼らは「ジェーン本人」ではなく、「アンテノール公爵家」が目当てなのだと賢いジェーンは分かりきっている。


ジェーンは彼らと表面上は愉しげに談笑しながらも、目の端でウィリアムを探した。


(まだ殿下はいらっしゃっていないようだ。近侍たちも。たぶん「彼」を誘って、皆で一緒に来るはずだ…)


「彼」というのはリア・グラマシー。

ジェーンとウィリアムの同級生だ。

リアは元々市井で暮らす平民の少年だったが、2年前に侯爵家のご落胤だと判明したことで貴族社会に仲間入りした。

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