表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/43

18.王妃となるメリット

軟禁処分によって外に出なかったお陰で、直接的には晒されなかったものの、アンテノール公爵家を含めて自身がどれほど口さがなく言われているのかをジェーンは知っていた。


「僕はこの結婚でアンテノール公爵家の名誉を回復したいのです」

「ジェーン、お前の言いたいことは理解できる。確かに王家はこの婚姻によって、お前の経歴に傷をつけた責任を取るつもりだ。しかしながら、それはお前のためじゃない。国民からの失われた信頼を取り戻すパフォーマンスに過ぎないのだ。お前も分かっているだろう?」

「大丈夫です。心配なさらないで、お父様。僕の結婚にあるのは愛ではありません、これはビジネスなのです」


カーティスが求めているのは共に国政を担っていくパートナーだ。

そこにあるのが最初から愛ではなければ、裏切りもない。

ウィリアムとの婚約よりも上手くいく勝算がジェーンにはあった。


それに自分が王妃となれば、アンテノール公爵家は権力を手にすることができ、今行っている事業のますますの繁栄は目に見えている。

この結婚は王家にとっても、アンテノール家にとっても、充分過ぎるほどのメリットがある。


それなのに少しだけ、ほんの少しだけ。

ジェーンの頭の片隅に名前すら知らないあの男性がよぎって、切なくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ