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プロローグ

その腐女子はとあるBLゲームにどハマリしていた。

美麗なキャラクターたち、エロがふんだんに盛り込ま

れつつもジェットコースターのように予測のつかないシナリオ。

そして何よりもねちねちと嫌味たらしい悪役令息のざまぁ！としか言いようのない末路が最高すぎるのだ。

来る日も来る日も彼女がプレイし続けた結果。

「あー！どうしよー！が、画面が映らないー！せっかくウィリアムルートのエンドでジェーンのざまぁ展開が見えるのにぃー！」

過度なプレイによってディスクの状態が悪くなって、上手く読み取れなくなり、ゲームソフトとして機能しなくなってしまったのだ。

「はぁ…。しょうがない。今からネットで即購入するか。今までのこのディスクは長年の相棒だし。これからも大切に取っておくかっ！」

そう言った彼女は項垂れつつも、新たに同じゲームを買うためにスマホを手に取る。

この時、彼女は機能しなくなったゲームディスクの中では今まさにバグが起こり始めたことにもちろん気付いていなかった。