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完璧な政治体制という幻想

作者: 乃木坂 佑一

未だに社会主義や共産主義に幻想を抱く皆さん。その理想と幻想をもって

日本国を設計したのがGHQのユダヤ左派だって知ってました?

20世紀のイデオロギー闘争や、極めて初歩的な政治議論にいかなる政治体制がベストかという表題があがる。筆者の認識としては国家システム維持の近代における保持機構として議会民主制と内閣制がそのアップデートかバージョンアップがなされない以上左派右派だの思想違いだのは政党の色分け程度のモノで優劣などあまりないと思っている。国家体制においては確かに左派な福祉マシマシや低所得層に受けそうな

ポピュリズムが望ましいという向きがあるが、たいていは次期政権にそのつけを回すか、他国への不均等な貿易か搾取で得た権益を自国民に分配した結果だったりする。また右派政権も大概で勇ましい愛国思想など国威掲揚に盛んなその裏で増税や国民負担を支持率にゲタを履かせて押し通すというろくでもないモノであったりする。

であるなるならば政治体制自体を社会主義か、現実的な共産主義国家にしてはという向きがあるがわが日本国は体制においてやや国家主義よりの社会主義で、社会保険機構においては現実的な共産主義に近い。

少子化や、社会保険負担や、年金の問題があるが、実は日本が戦後において左派な福祉マシマシのポピュリズムに振れた結果の極めて左翼国家ありがちの腐敗の結果であるので、世界国家において日本はあらゆる意味で実験結果に事欠かないモデルケースとして重宝されるのである。


政治体制を吟味すれば社会が良くなるというのはもはやイデオロギー並みの迷信の類だと筆者は認識している。


政治形態に関しては東においては古代中国からの三皇五帝による徳治、孔子の儒教による教化政治がありそのアンチテーゼとして法家思想が起こり法治国家の秦が成立したことは歴史の事実である。


西においては古代ギリシャの古代ローマの民主制にはじまり、都市国家ローマからの民主制がその独特の軍制から膨張した結果、統治機構としての帝政に移行するに至るのだが民主制を尊重するローマの有力者によりもしくは下層階級を保護する護民官などが一定の抵抗を示すのである。


ローマ崩壊以降、西欧の政治機構は後退し、イタリア半島の一部の都市国家がローマの残滓たる共和制を残す

以外は原始的な王政・貴族制が散在する状況となりこの政治的正当性をヴァチカンが「神授」するという極めて特異な政治状況が現出したのが中世欧州であった。


ニコロ・マキャベリ曰く、この世の中には3つの政治形態が存在する、つまりは専制君主政・貴族政・共和政

である。しかしながらこれらが国家権益や運営を顧みない首班となり腐敗する場合専制君主制は僭主政となり

貴族政は寡頭政となり、共和政は衆愚政となり国家は衰退する。いかなる政治体制にも完璧はなく首班の運営次第というマキャベリらしい皮肉に満ちた文言である。


近世において国民国家という思想が起こり、その権利を保障するかわり税金をはじめとした義務を国民が追い

国籍をはじめとした「主権」を国家に所属する国民が得るという近代民主制が成立するまで政治体制の優劣や

政治状況というものは政治首班たる権力者のものであった。これらを覆し、その国民国家の民族民主民政をもって国家を運営するという基礎的な国家デザインを国家体制に反映させる「憲法」の存在が近代民主制と国民国家を躍進させる法治国家の基礎となるのである。


WW1・WW2以降のイデオロギー闘争。マルクスエンゲルスが共産主義をとなえ、ワイマールドイツにおいて社会主義運動が起こり、ロシアにおいてソヴィエトが成立しイタリアで「ファシズム」が台頭し「ナチスドイツ」が社会主義共産主義運動を打倒し政権を奪取した時代。国家政治体制において「ファシズム」「コミンテルン」と資本家が優先される「資本自由主義」がそれぞれ対立するようになった時代。


筆者の私見としてはイデオロギー闘争は結局は国家政治体制の後退であり、権力者が支持を集めるための宗教的な方便であったと言わざるえない。WW2以後突出したそれぞれの政治体制でその国力や軍事力経済力で他国を圧倒し、もしくはプロパガンダを宣伝し国家の優劣を宣伝した国家は次々に現れたが自国民の幸福度や福祉向上・税制の抑制を考慮した国家は皆無である。過度なイデオロギー闘争はそれ自体が国家間国家内部政治において不毛な騒乱をもたらし戦争・内乱、ひどい場合は体制に反対した国民を虐殺するなど本来の喧伝とは真逆の結果を世界にもたらした史実しか残っていない。


理想と利益をしきりに喧伝するがその実カルト宗教と同様の洗脳教育や思想強制をする共産主義、民主制においての国民の権利を奪い、合法的に独裁を展開するファシズム、自由市場自由資本主義の名のもとに法治を蹂躙し他者権利を侵害する独占資本主義。共通する事項は権力を持った国家上層いわゆる上級国民と言われる一握りの階層が大多数を支配する体制である。 


資本主義自由主義国家においては再分配が、共産主義国家においては流通と福祉サービスがその国民の幸福度を決定づける結果となるが、この結果と目的は2つの異なるイデオロギーであるにもかかわらず全く同一で「現体制への支持と、参政や政治体制への興味を向けさせない」ことにある。

古代中国の舜禹の時代の統治者の名前さえ農村の人民は知らない。もしくはヒトラーが言う

「大衆というものは自身の生活娯楽が保証されているなら政治体制など興味を持たないものである。」

が現出する。近代国家としては非常に悩ましい一面である。


皮肉に満ちた事象であるがイデオロギーだ政治体制だの議論は現状に不満や不公平や不公正が存在するから起こるのである。超絶ホワイトな企業なら労働組合の存在意義を失うように。

完璧な政治体制なら国家がつつがなく運営され国民の幸福が保証されるなどという思想はなろうご都合主義ファンタジー以上の幻想である。

さらに言うならそういった類の国家というのは共産主義ソビエト以上の管理国家でありTRPGのパラノイアに代表されるようなディストピアとなるだろう「幸福は義務です市民」と。


近代の政治体制などと言うものはその国家国民地方自治の最大公約数を汲むシステムを速やかに構築し、その過程においていかに国民の負担を減らし国家体制を維持した安定した法治をその政治首班が維持できる可能な期間努力するものである。その際の左派右派と言われるイデオロギーなどは20世紀の遺物であり

政治というものはドイツのビスマルクが言うように実現可能な事象から努力着手し思想の色など度外視して国民国家の利益と幸福を追求するものである。それが「理想」でありそれを担保するチートなどと言うものはこの世界には存在しないのである。


日本って世界で最も成功した共産主義国家だの社会主義国家だの言われてるって知ってます?


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