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雑草少女と花の国  作者: 山名真雪
雑草少女と引き裂かれる絆
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星、溢れる街

今日も変わらず、城下町は賑わっている。

だが、いつもと違うところがあった。

店の至る所に星形の飾りがあるのだ。飾りを売っているお店はもちろん、売り物ではなく一般の家庭の窓やドア飾りとして装飾がなされている。

まるで、天の川の中のようだ。


それも城下全て、あちらこちらになされているので不思議で幻想的な雰囲気だ。


「あぁ、そうか。星待ちの季節か……」


頭上を見上げるローレル様に習い、私も空を見上げる。すると、そこにも外壁と外壁を繋いで垂れ下がるロープに星型の電球が付いている。

今は昼間なので明かりは灯っていないが、夜になるととても綺麗なのではと思う。


「星待ちって?」


初めて聞く言葉にローレル様に問いかけると、そっかシオンは知らないんだよね、と星待ちについてローレル様は話し始めた。


「年に一度、流星群が降るんだ。その時、流れる星に願い事をして、願いが叶いますように皆で祈る日なんだ。だから、願いは必ず叶うって言われてるよ。」


「願いが、叶う日……」


「そう。その日は皆の願いが、集まる日でもあるね。そのお祭りが、もうすぐ来る」


だから、こんなに星が溢れていて活気づいているのか。

改めて周りを見回す。楽しげな人々ひとりひとりに、願いがあるのだろう。

そして、それを一年に一度流れ星に願う。

それはきっと、ローレル様も同じで。


どんな願い事をするのだろう。


「シオンだったら、何を願う?」


自然と視線が合った。ローレル様の問いに、私は……。

優しげに笑うローレル様。いつだって分け隔てなく接してくれるこの人に、少しでも幸運が訪れて欲しい。だけど、それを口にするのは恥ずかしかった。


「秘密です。言ったら願い事は叶わなくなりますから」


「えっ、それは姚国の教え?」


「そうですよ」


つん、と前に向いた私にローレル様は意地悪だなぁ、と笑った。

だけど、ローレル様はそれ以上聞いては来ず、街中を歩く。


「ねぇ、シオン」


すっ、と足を止めたローレル様。私は数歩進んだところで振り返る。


「ちょっとここで待っていてくれる? すぐ戻るから!」


「ろ、ローレル様っ!?」


ちょっと待って、という言葉さえも聞かずローレル様は人混みの中に消えて行ってしまった。

仕方なく私はここで待つことにした。幸い、ここはちょっとした休憩スペースのようで、大きな木を囲むようにベンチが置かれている。


買い物に疲れたであろう、荷物を持った人や犬の散歩がてら寄ったらしい人などがベンチに座っている。

私も、空いてるベンチを探して腰を下ろした。


座るとじんわり足が痺れた。気付かぬ内に疲れていたらしい。

少し休憩もいいかもしれない。最近は馬の世話に加えて、買い物を任されることも多くなった。

そのお陰で城下の地理もだんだんと覚えた。

世界が広がっていくのが分かると、フロルの生活も楽しくなってきた。


そして今日、任された買い物は馬の世話に使う新しいブラシ等の消耗品。それから、休憩の時に食べるお菓子だ。

初めの内は、みんなで食べるものとして私は好みを考えながら買っていたのだが、あまり食べる人がおらず肩を下ろしていたのだが、最近になって気づいた。


これは、アシビさんが休憩用のお菓子としての名目で私にお駄賃として買ってくれていることに。

直接口に出して言わないが、ほぼ私にお菓子を渡してくれるのだ。


そんなアシビさんの優しさに甘えて、私はささやかながら甘いものを買わせてもらっている。

もちろん、常識の範囲内でだ。

今日は何を買おうかな、と考えていると人混みの向こうからローレル様が走ってきた。


その手には小さな箱が握られていた。


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