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雑草少女と花の国  作者: 山名真雪
雑草少女と新たな出会い
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25/120

炎揺れる廊下

「まぁ、ローレル様への追求は後でにしましょう。シオン、その宿までお送りしますよ」


「あ、そうですね、そろそろお暇しないといけない時間ですね」


ゴタゴタのせいで気づいていなかったが、応接間に西日が差し込み始めている。間もなく日も落ちて暗くなってくるだろう。

事件に巻き込まれる前に、宿には帰りたい。


私とローレル様も立ち上がる。


「どうして、ローレル様も?」


「いや、送ろうかと思って」


「無駄に警護の手間を増やさないでください。私が行きますから、ローレル様は仕事に戻る。まだまだあるんですから。徹夜したいんですか」


やれやれと言ったふうに、分かりやすく頭を抱えたリーク様はローレル様の顔を見てバッサリ切り捨てる。

ローレル様は、少し傷ついたように顔を歪めた。


「僕だって息抜きしたい」


「それが本音でしょう。尚更ダメです。ローレル様は放っておいて、行きましょう」


「は、はい。では、失礼します」


さっさとリーク様が部屋を出ようとするので、慌てて私はローレル様に頭を下げて部屋を出た。

静かに閉めた扉の向こうで、困ったように笑うローレル様が手を振っていた。私も小さく振り返す。


「すみませんでしたね。色んなことに巻き込んでしまって」


「いいえ。こちらこそ、また助けていただいて。迷惑をかけてすみません」


教会のことと言い、今日のことと言い。

ローレル様やリーク様に助けて貰ってばかりだ。


「前にも言いましたが、シオンのせいではありませんよ。なので、謝らないでください」


歩き出したリーク様の隣に立ち、燭台のあかりが灯った廊下を歩き出す。

白亜の壁や床に反射した、炎が揺れる。それがとても幻想的だ。


「明日から忙しくなりますね」


「そうですね。でも早起きは慣れています」


「そうですか。それに、なんだか嬉しそうですね」


分かりますか、と言うとリーク様はそれはもう、分かりやすいですよ、と笑った。

そんなに顔に出ていただろうか。

仕事は見つかったことは嬉しい。けれど、それ以上にハンナと別れなくてすんだことが本当に嬉しいのだ。


「はい。明日から楽しみです」


「それは良かった」


他愛もない話をしながら、リーク様は宿まできっちり送ってくれた。


「ではまた明日」


「はい、また明日。おやすみなさい」


明日も早い。さっさと支度して寝よう。

宿の中に戻り、女将さんと挨拶を交わして部屋に戻った。

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