雪と氷の国で
大変長らくお待たせしました。
色々、変更いたしました。
ぎゅぎゅっといろいろ詰め込んだので、話数が大幅に減っていますが、内容は濃くなっていると思います。
これからもよろしくお願いします。
外は吹雪いていて、木造の古い家をがたがたと揺らした。
室内は心許ない小さな焚き火が、僅かばかり私と父を暖める。
私たちはくっついてひとつの毛布を分け合った。そうしていれば、寒さに耐えることが出来た。
「シオン、寒くない?」
「うん、大丈夫だよ!」
窓ガラスさえも割れた、家具さえもほとんどない家。
親ひとり子ひとりの生活はとても厳しかった。
けれど、父さえいれば大丈夫だった。
二人で小さく揺れる炎を眺め眺めていると、父が小さくつぶやく。
「シオン、これからいい所に行こう」
「いいところ?」
いい所ってどこだろう。
ここよりも暖かい場所だろうか。
雪に覆われ始めた姚国よりも、豊かな国だろうか。
かつて、緑豊かだった姚国のような。
首を傾げた私に、父は言った。
「そこはね、花咲き乱れる国、カロラ王国だよ」
「カロラ王国?」
そう言って、強く私を抱きしめた父は何を考えていたのだろう。
その答えを、私は知らなかった。