五
文久三年九月十六日。この日は朝から雨で、少し肌寒い日だった。
「山崎さあん、飲んではりますかあ?」
広間の隅の方で酔い潰れない程度に飲んでいた山崎は、千鳥足で近づいてきた青年を呆れ顔で見上げた。
「尾関……お前飲みすぎ。それやと屯所まで帰れへんで」
「だーいじょうぶですってぇ」
にこにこと笑いながら、尾関が隣に座り込む。
今夜新選組は、島原の角屋で会合を開いていた。そのあとはそのまま宴会となり、隊士たちは酒を飲んだり芸妓と戯れたり思い思いに過ごしている。
尾関雅次郎は一月ほど前に監察方に加わった隊士だ。歳は二十で人懐こく善良な男だが、やや抜けている。
「それにしても、怪我はもう大丈夫なんですか? 俺、ほんまに心配したんですよぉ」
「はいはい、おおきに。俺は大丈夫やから、お前はそろそろ水挟んどき」
尾関が持っていた杯を取り上げて、代わりに水を渡す。すると尾関はなぜか悔しそうにこぶしを握った。
「はあーっ、こういうとこか! 女はこういうとこに惚れるんか!」
「……何言うてんの?」
「山崎はんてどこでも女にもてて、ずるいやないですかぁ! 気づいてます? さっきちょっと話しとった妓も、さっきからちらちら山崎はんのこと見てはるんですよ!」
「気のせいやろ」
面倒なので適当に流そうとするが、尾関はますます悔しそうに畳を叩く。
「くそぉ、俺かてもてたいのに! 特に神崎はん!」
「――神崎?」
酒をもう一口飲もうとして、思わず手を止めた。
「はい、俺の心の癒しなんです! ちょっと変わってはりますけど、可愛いやないですか。やっぱし女は顔がええのが一番です」
「ふうん……よう話すん?」
「いや、ほとんど話したことないですけど――って、あれ? 山崎はん気になるんですか? もしかして山崎はんも、神崎はんのこと気になってはるんです?」
好奇心丸出しで、身を乗り出して尾関が聞いてくる。
「沖田はん、尾関が明日の稽古で手合わせしてほしいて――」
「わあああ! すんまへん、嘘です!」
尾関が顔を青くして、大慌てで逃げ出す。沖田たちはかなり離れた場所にいるため聞こえるはずがないのだが、酔いが回っているせいで気づかなかったようだ。
山崎はため息をつくと、沖田のいる方へ目を向けた。
沖田は近藤と芹沢と三人で酒を飲んでいる。近藤は言わずもがな、沖田は芹沢とも一緒に八木家の子どもたちと遊んでやったりと、何かと親しくしているため、どちらといるのも違和感はない。
しかし近藤と芹沢がこうした席で一緒にいるのは珍しい気がした。二人は別段仲が悪いというわけではないが、大抵の場合、近藤は土方と、芹沢は平山や平間といるからだ。
――そういえば、土方はどこにいるのだろう。
ふと思って広間の中を見回すが、姿が見つからない。山崎は腰を上げると、静かに外へ出た。
「――ん? 山崎じゃねえか」
庭に面した廊下を歩いていると、広間から少し離れた場所で、土方が一人で酒を飲んでいた。
「何してんだ、こんなところで」
「ちょっと飲み過ぎたんで、身体冷やしに。土方副長はどないしたんですか?」
尋ねると、土方は黙って庭の方へ目を向ける。山崎も同じように庭を見た。
朝は小雨程度だった雨が、今や土砂降りになっている。
「考えてもしょうがねえことを、とりとめなく……な」
ぽつりと呟くように土方が言った。
「本当は総司が人斬りなんてしたくねえのは分かってるんだ。あいつは身を立てることにも、国の為に尽くすことにも興味はねえ。ただ近藤さんの傍にいて、役に立ちたいだけなんだ。――いや、もしかするといまだに心のどこかで、役に立たなければ捨てられるかもしれないと思ってるのかもしれねえ」
そう話すと、手の中の杯に視線を落とす。
「あいつにとってはきっと、多摩の試衛館での生活が一番幸せだった。俺はそれを分かっていて、その上で気づかないふりをして、利用している。あいつは腕が立つし、絶対に近藤さんを裏切らないと分かっているからだ」
激しい雨音に掻き消されそうな声を、山崎は黙ったままじっと聞く。
「全て、承知のうえでやっていることだ。――だがときどき、そんな自分にぞっとする」
杯を強く握り締める土方のその姿が、ふと目の前に広がる闇の中に溶けてしまいそうに見えた。
隊士たちからは冷酷な鬼だと恐れられているが、この男はただ自分がそうあろうとしているだけの、人間なのだ。
「土方副長……」
「――つまんねえこと話したな。もう行っていいぞ」
軽く首を横に振って、山崎を見上げる。その顔はいつものものに戻っていた。
「……失礼します」
軽く頭を下げて、広間へ戻る。しかし山崎の胸には、土方の言葉がしこりのように消えずに残っていた。
**********
同日、深夜。花は眠れなくなり、部屋の外へ出た。
今日はみな宴会で出払っているため、屋敷の中は不気味なほど静かだ。雨音だけが、やたらと響いて聞こえる。
花は庭に面した廊下に立つと、暗闇の中降りしきる雨を見つめた。
父親と話した結果、花は明日の夕方に現代へ帰ることになっていた。ここで過ごす夜は、今夜が最後だ。
父親はそろそろ八木邸に帰っただろうか。
今夜は泊まらず帰ってくると言っていたので、少しだけ顔を見に行こうと花は歩き出した。
相田たちの裏切りが発覚して以来、多少は疑いが晴れたのか、壬生村にいる限りは外出するのに許可を得なくてもいいことになっていた。
花は傘を取ってくると、庭に下りて西側の小門から前川邸を出た。この小門の道を一つ挟んだ向かい側に八木邸がある。
「――どこいった!」
玄関前まできたところで、誰かの怒鳴る声が聞こえてきた。見ると、抜身の刀を持った平間が式台の上に立っていた。
殺気だったその様子に声をかけられず、つい立ち尽くしていると、こちらに気づいたように花の方を向く。
「お前が殺したのか……!」
そう叫ぶなり刀を振り上げて襲いかかってくる。花は混乱しながらも、とっさに傘を捨てて逃げようと踵を返した。
その瞬間、背後でどさりと人の倒れる音がする。おそるおそる振り返ると、そこには黒い装束に身を包んだ沖田の姿があった。
その手には刀が握られている。
「お、きたさん……?」
花は沖田の顔を呆然と見て、それから足下に転がる平間の身体を見た。――沖田が斬ったのだ。
「な、何も斬らなくても……!」
動揺しながらも、花は平間の前に膝をついた。
「とにかく、早く止血してお医者さんを呼ばないと――」
「無駄です」
沖田の手が、平間に触れようとしていた花の腕を強く掴む。
「――もう死んでいます」
花は弾かれたように顔を上げた。
「何を、言って……」
言いかけたところで、屋敷の奥の方から走って近づいてくる足音が聞こえてきた。
「隠れて」
沖田が言って、花を玄関の隅に押しやる。ほとんど間を置かないで、土方が現れた。
「総司、引くぞ」
「先に行っていてください。私は最後に、確かに死んだか確認してから行きます」
「……分かった。あんまり時間はねえから、さっさと戻ってこいよ」
土方が言って、去っていく。
「……もういいですよ」
しばらくして沖田が言う。しかし花はその言葉に答えられなかった。
何が起こっているのか、理解が追いつかない。死んだか確認するとは、一体誰のことだろう。平間のことか、それとも――。
「おとう――芹沢さんは?」
ゆっくりと顔を上げて沖田を見る。沖田は黙って、玄関の先にある部屋を見た。
反射的に立ち上がって、走り出す。――どうか杞憂であってほしい。
焦燥感に襲われながらも必死で願う。しかしその願いはあっけなく打ち砕かれた。
飛び込んだ部屋で花が目にしたのは、血だまりの中に倒れた父親の姿だった。
部屋の中は、噎せ返るような血の臭いが充満している。
「どうして、こんな……」
動かない父親の身体の前に、力なく座り込む。
「新選組は京の治安維持を任されています。そんな組織の頭が、罪のない人を殺したと認めるわけにはいかない。ですから会津侯は、大和屋の一件を犯人不明として処理されました。……ですがそれでも、責任は取らなければなりません」
「でも庄兵衛さんは、佐々木さんたちを殺させて――」
「証拠はあるんですか」
尋ねられて、花は強く唇を噛んだ。
「沖田さんは、芹沢さんが庄兵衛さんを殺したことは間違いだって思うんですか?」
「……思いませんよ」
「なら、どうして!」
「間違っていないからといって、それで責任がなくなるわけではありません。人を殺すということは、それだけ重いことなんです」
沖田は淡々と答える。花は固くこぶしを握ってうつむいた。
そのとき、父親の瞼がぴくりと動き、小さなうめき声が聞こえた。
「――花、か……?」
「お父さん……!」
花は慌てて父親の身体に触れた。手のひらに生温かい血の感触がする。
「待ってて、すぐに人を呼んで――」
立ち上がろうとして、着物の袖に何かが引っかかったような感覚がした。目を向けると、父親が花の着物を掴んでいる。
「お父さん、血がたくさん出てるから止めないと。すぐに戻ってくるから、お願いだから待ってて」
父親の前に座り直して言うと、手を離させようとする。
しかし父親は目を閉じて緩く首を横に振った。
「もう……いいんだ」
「何言ってるの! そんな――もういいなんて、そんなわけないじゃない!」
思わず叫ぶと、父親は困ったような笑みを浮かべる。
「花……俺はこれまで、この時代で、たくさん人を殺してきた。……これは、その報いなんだ」
その言葉にはっと息をのむ。
「庄兵衛だけではない。他にも何人も、殺してきた」
「そんなの――っ」
――そんなのどうでもいい。そう、叫びそうになった。
人を殺していても、自分にとってはたった一人の大切な父親だ。世の中が許さないと言ったとしても、それでも、どうしても生きていてほしい。
「お父さん……」
瞳から涙がこぼれ落ちた。今にも張り裂けてしまいそうなほど胸が痛い。
「……花。もう少し、近くにきてくれるか」
父親の言葉に、傍へ寄る。父親は花の袴に手を伸ばし、紐に括り付けていたストラップを外した。
「帰れ、花。……現代へ、帰るんだ」
そう言って、花の手にストラップを握らせる。石から発せられる電気が強くなり、手のひらが痺れた。目の前がだんだんと暗くなり、父親の姿が闇に消されていく。
花はとっさにストラップを離して父親に握らせた。
「――何を」
父親は目を見開いて、ストラップを離そうとする。花は父親の手を両手で包み込むように握って、ストラップを離させないようにした。
この時代では助からない怪我かもしれない。だが現代に帰れば――あるいは。
「お父さん、生きて。それで、私の代わりにお母さんにごめんなさいって伝えて」
目の前の父親の姿が薄くなっていく。何か言っているようだが、その声はもう聞こえない。
「お父さんに会えてよかった。……大好きだよ」
聞こえているか分からなかったが、伝わるように思いを込めて抱きしめる。
ほんの数日の間だったが、記憶の戻った父親と過ごせた時間はかけがえのない宝物だ。
身体の感触は少しずつなくなり、やがて初めから何もなかったように掻き消えた。
あとにはすっかり色のなくなった石のついたストラップだけが残されている。
「芹沢さんは、どこに……」
振り返ると、沖田が目を見開いてこちらを見ていた。花はストラップを拾って立ち上がる。
「私はここで何も見ませんでした。――だから沖田さんも、何も見なかったことにしてください」
沖田は黙ったまま花を見つめて、背を向けた。そのまま去るのかと思ったが、平間の身体を引きずるようにして戻ってくる。
さっきまで父親の身体があった場所に寝かせると、着物を脱がせ始めた。
「何をしてるんですか……?」
「平間さんの死体を芹沢先生の死体に偽装します。背格好は一緒なので、顔が分からなくなれば気づかれないでしょう」
その言葉に、以前自分も後ろ姿を見間違えたことがあったことを思い出した。
「行きなさい」
沖田が言って、腰の刀を抜く。花は頷くと、その場を立ち去った。
沖田がどこかへやったのか、玄関先に落とした傘はなくなっていた。捜す気になれなかったため、雨の降りしきるなか濡れながら前川邸へ戻った。
「神崎」
血を落とそうと井戸の前に立ったところで、声をかけられた。顔を上げた先には傘を差した山崎の姿がある。
山崎は花の顔を見るなり、駆け寄ってきた。
「お前そん血――どっか怪我したんか」
傘を差しかけながら山崎が聞く。花は首を横に振った。
「大変や! 芹沢局長と平山はんが殺されとる!」
八木邸の方から誰かの叫ぶ声が聞こえてきた。
「……居合わせてもうたんか」
何か察した様子で、山崎が言った。
「辛かったな」
うつむくと、頭の上に手が乗せられる。目の前があっという間に滲んで、雨粒ではないものが頬を濡らした。
思わずしがみつくように山崎の着物を掴むと、花は声を上げて泣いた。
――もう帰れない。もう二度と、現代に帰ることはできないのだ。
父親の無事も確かめられず、母親に謝ることもできない。友だちにも桔梗の先輩たちにも、もう決して会うことはできない。
父親が記憶を取り戻す前でさえ、いつかは帰れるかもしれないという希望を持っていたが、それすらもなくしてしまった。
自分が残り父親を帰す選択をしたことに、後悔はない。だが後悔はなくとも、それで悲しさや寂しさがなくなるわけではない。
「――山崎はん、いますかー?」
ふと屋敷の方から山崎を捜すような声が聞こえてきた。
「ええよ、あとで行くさかい」
離れようとすると、そう言って頭を押さえられる。
「大丈夫。お前が落ち着くまで、ここにおる」
山崎は小さな子どもをあやすように、優しく花の背中を撫でた。その手は熱く、濡れて冷えていた身体が少しだけ、あたたかくなった気がした。
*
翌朝、浪士組の屯所では、芹沢と平山、そして梅が殺されたことで話題がもちきりだった。
梅は本当は秀二郎と駿府へ発ったのだが、脅した芹沢が死んだことで菱屋がまた手出ししようと考えることがないよう、殺されたと噂を流しておくことになったらしい。
三人の死については、相田たちの起こした事件と八月十八日の政変からそう日がたっていなかったこともあり、隊士たちはおそらく長州の人間に殺されたのだろうと考えているようだった。
いつものように朝ご飯を作ったあと、花は洗濯物を洗おうと部屋に戻った。
父親は無事に現代へ帰れただろうか。
血に汚れた着物を、軽く畳んで考える。
命は助かっただろうか。母親と再会することはできたのだろうか。
昨夜からずっと不安で頭から離れないが、考えたところで自分には知るよしもない。
うつむいたところで、ふと袴の紐に括りつけていたストラップが目に入った。
外してしまおう。つけていたって、もう何の意味もない。ただ叶うはずのない、淡い期待を持ち続けてしまうだけだ。
花はストラップを外して、リュックの中に入れた。その瞬間、リュックの中が淡く光る。中を覗くとスマートフォンの画面が光っているようだった。
そういえば、数日前に母親のメールを見てから電源を落とすのを忘れていた。
しかし充電はもう残り僅かなので、むしろ今電源を落とすともう二度と起動できなくなりそうだ。
最後にもう一度だけ、母親からのメールを読もうとスマートフォンを手に取る。
そこで花は、未読の新着メールがあるのに気づいた。――母親からだ。
誕生日に送られたメールとは違う。日付けはその二日後になっている。
ストラップを見ると、僅かに残っていた石の色が完全に消えて真っ白になっていた。
まさか、この石の力で現代からメールが届いたのだろうか。
震える指先で、メールフォルダを開く。
『謝る必要なんてない。
花がお母さんを信じられないでいたことは分かっていたけど、信じられない自分を後ろめたく思ってしまう優しい子だってことも、ちゃんと分かっていたから。花を恨んだことなんて、一度もありません。
あなたが笑顔で生きていられたら、それだけでお母さんは幸せです。
どうかこのメールがあなたに届きますように。愛する花へ』
花はメールを何度も読み返した。何度も繰り返し読んで、やがてスマートフォンの電源が落ちて液晶画面が暗くなる。
母親からのメールは、まるで花が謝りたがっていたことを誰かから聞いたようだった。
考えてふと、タイムスリップしたあとの経過時間と現代の経過時間は同じでなかったことを思い出す。
そういえば、自分がタイムスリップした日の前日、人が刀で刺される事件があった。
さっき届いたメールの日付はその事件の三日後。――もしかして、あの被害者は父親だったのだろうか。
花は部屋を飛び出して、台所へ走った。確か、三上たちから貰った段ボール箱には、あの日の朝刊が入っていたはずだ。
台所に着くと、隅に置いていた段ボール箱を引っ張り出して、中に畳んで仕舞っていた新聞を広げる。
テレビ欄、スポーツ面、政治面、社説――。
「あった……」
一月十三日の午後七時、烏丸三条の交差点で起こった傷害事件。被害者の名前は神崎智弘。傷は日本刀によってつけられたもので、発見されたときは意識不明の重体だったが、なんとか一命をとりとめたと書かれていた。
――生きている。父親は現代で無事に生きているのだ。
花は新聞を置いて、台所を出た。
昨夜降った雨の名残か、湿った風が濡れた草の香りを運んでくる。空は高く澄んでいて、胸に染みるようだった。
「お父さん……お母さん……」
着物の合わせを掴んで呟く。喉の奥が締め付けられて、ほんの少しだけ涙が出た。
「……神崎?」
声をかけられて、慌てて頬を拭う。顔を向けると、巡察へ向かうところなのか、浅葱色の羽織りを羽織った山崎の姿があった。
「大丈夫か……?」
泣いていたのに気づかれたらしい。
心配そうに見る山崎に、花は頷いた。
「山崎さん、以前私に全部忘れろって言いましたよね」
「……ああ」
答えた山崎の顔を、まっすぐに見つめる。
「私、忘れません。全部、ちゃんと覚えてます」
何が正しくて、何が間違っているのか、今も分からない。きっと答えを出したところで、それが本当に正しいのか分かる人は誰もいない。
この世に少しの間違いもない、正しい人間など一人もいないし、自分も決して正しい人間などではないから。
だが、それでも正しくあろうともがいている。本当の正義がどこにあるのか、不条理なこの世界の中で探し続けている。
「佐々木さんのことも、相田さんや佐伯さん、庄兵衛さんのことも……全部、覚えてます」
絶対に忘れたりしない。どれだけ辛く、悲しく、目を背けたくなるようなことでも、受け止めて一つ一つ乗り越えていく。
それはきっと私の糧となり、大切な人を守る強さになると信じている。




