表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実験体戦記~EVIL FIGHT~  作者: Painwind
実験体戦記~実験体ロワイヤル編~
40/55

第39話 人質

その音の手には刃物。


平頭(ビョウトウ)は激怒した。



平頭(ビョウトウ)『お前はあの時の!! 一体、何が目的でこんな事をしてるんだ!!』



男は笑いながら言う。


男『お(ビョウトウ)は試合に負けた。 そして、家族も仲間も守れない哀れだねぇ!! あのまま死んでた方が楽だったかもよ?』



平頭(ビョウトウ)は男に殴り掛かろうとするが



男『おい!? 家族が殺されてもいいのか? 次に一歩でも動いたら娘から殺すぞ!?』



平頭(ビョウトウ)は拳を握り締め堪える。



平頭(ビョウトウ)『お前らは一体何が目的で仲間を殺した!?』


男はモニターを見ながら言う。



男『簡単な事さ...不死原(フジワラ)が遊びたいって言うから遊ばせただけさ!! それが近くにちょうどいたお前らだった...運が悪かったんだな!!』



その言葉に平頭(ビョウトウ)の怒りは爆発した。



平頭(ビョウトウ)『人の命を何だと思ってるんだお前らはぁああ!! ただ、殺したいだけで殺していいなんてそんな理由が納得できるかぁああ!!』



男『声を荒げるな!! 耳障りだ!! 家族が死んでもいいのか!?』



妻は恐怖に震え声も出せず、娘は泣き叫んでいる。



平頭(ビョウトウ)は今の自分であれば地面を利用して防げると思ったが男には既に見透かされていた。



男『お前の決闘因子は俺には効かない!! 既にこの部屋はそれを把握して細工している!! 無意味だ!!』



平頭(ビョウトウ)は歯を食い縛り、ただ立っているだけしか出来ない。



男『負けた雑魚はもう死ぬしか運命はないんだよ!! このまま家族仲良くあの世でもう一度逢えば幸せになれるぞ!!』



そう言うと男は娘に目掛け刃物を振り下ろした。



ガキィイン!!


金属が重なる音が部屋に響いた。



『やはり、平頭(ビョウトウ)殿は無実でござったか...』



平頭(ビョウトウ)が目を向けるとそこには男の刃物を間一髪で受け止めている東谷(トウヤ)がいた。



東谷(トウヤ)『部屋が横だったので全て聴かせて貰ったでござる!! この悪人は成敗せねばな!!』



そう言うと刃物を弾き、男に電磁刀を向けた。



男は笑いながら東谷(トウヤ)を見る。


男『おい!! 今だ殺れ!!』



ドンッ!!



東谷(トウヤ)は背後から何者かに凶器で殴打され倒れた。



平頭(ビョウトウ)『このクソ外道共がぁああ!!』



平頭(ビョウトウ)東谷(トウヤ)に向かおうとするが



東谷(トウヤ)平頭(ビョウトウ)殿!! 守る者が他にいるであろう!! 我の事より愛する者を守るでござる!!』



平頭(ビョウトウ)『けど...お(トウヤ)



東谷(トウヤ)『早く行けぇえ!! 平頭(ビョウトウ)殿以外に誰がその者達を守れる!! もう誰も死ぬのを見たくないでござろう!?』



平頭(ビョウトウ)は妻と娘を守りながら壁をぶち破る。


平頭(ビョウトウ)『必ず助けに戻る!! それまで死ぬな東谷(トウヤ)!!』



東谷(トウヤ)は笑った。



東谷(トウヤ)『初めて名前を呼んでくれたでござるな...』



そう言うと朦朧とする意識の中、平頭(ビョウトウ)達の逃げる背中を見ながらゆっくりと目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ