第34話 迫り来る誰か
会場の闇が消える
そこには首と胴体が切り離された上畑が転がっていた。
水井は鎌の血を虚ろな目で見つめている。
会場は騒然。
山畑も慌てている。
山畑『...真っ暗闇で何も見えなかったが、水井選手が立っていると言う事は...Cブロック 第1回戦は水井選手の勝利ー!!』
水井は追い込まれていたと思ったが実は上畑は始めから水井の罠にまんまとかかっていたのだ。
上畑は水井に幻覚を見せられ、自分が戦っていたのはまさかの幻覚上の水井であった。
上畑が戦っている間、水井はただリンゴを噛りながら上畑の近くで見ていただけだった。
その幻覚に苦しむ、そしてわざと負ける様に攻撃を食らい上畑が喜ぶその姿を壊す事が水井の戦術。
まさに彼女は悪魔。
上畑の切り離された顔は自分が勝利しているかの様に笑っている。
その転がった顔を水井が拾う。
水井『残念だが勝利の美酒を味わうのは私の方だったな...!!』
そう言うと首を投げ捨てて会場を去って行った。
その頃、控え室近くの廊下では誰かが鼻歌を歌いながら歩いている。
『あぁ~試合出たいよぉ...どうやったら出られるかなぁ...』
そう言いながら歩いていると次の対戦カードの小田が控え室からコロシアムに移動する為に出て来た。
小田『!? 貴方はどなたでしょうか!? 私は次の戦いが待っているので貴方の遊び相手をしている暇はないのでごめんなさいね。』
そう言うと会場の方に歩いて行く。
『...いい事思い付いちゃった!!』
不気味な笑みで会場の方に歩いて行く。
小田の後を付いていく様に
山畑『それではコロシアムの準備が整ったのでC
ブロック 第2回戦の選手のだぁあ!!』
肥満の男がローラーブーツで華麗に会場に入って来た。
番堂『ボクちん待ちくたびれてお腹ペコペコなり~!!』
その笑みは会場に恐怖を与えるほど気持ち悪い。
番堂『あぁボクちんは女の子と子供が好物なのに...相手はピアニストの気持ち悪いおっさんかぁ...』
番堂はぶつぶつと独り言を言いながらいじけている。
山畑『続いては小田選手の入場だぁあ!!』
入場口に皆の視線が向くが一向に小田が現れない。
山畑『あれ!? どうしたんでしょうか!?』
すると、ゆっくりと歩いて来た。
だが、そこには小田ではない幼い少年が笑いながら立っていた。
手には小田の首をぶら下げて...




