第33話 深紅を求める女
いつ頃かだろうかこんなに冷酷で残酷な性格になったのは...
ふと気付いた時には他の人とは何か自分は違うと感じていた。
普通の人は血を見ると恐怖するが、私はその鮮やかな深紅が美しく感じる。
更に美しい深紅が見たい、そうやって沢山の人を殺めた。
でも物足りない。
死際の人の悲鳴は私の中ではまるでクラシックの様に心を癒してくれる。
そうしなければ私が壊れてしまいそうだった。
それから私は醜い者がいなくなる世界を造る為に色々な呪術を学び1人でひっそりと生きる。
私がおかしいのか?
周りがおかしいのか?
そんな事はもうどうでもいい。
美しい以外は私には不要だから。
水井の凍った様な目は上畑を見ている。
水井『さぁ、醜いキサマでもその深紅は美しいのか私に見せてみろ!!』
上畑は避け切れず右腕を氷柱が貫く。
上畑『...くっ...しくじったアル!!』
水井『フフッ...やはり深紅は美しい!! もっとキサマの体から溢れる血を見せてもらわないとな!!』
上畑『...右腕が駄目でもまだ左腕が使える限り戦えるアルヨ!! 貴女の動きよりは私の攻撃の方が勝ってるアル!!』
上畑は左手に持つ中華包丁をギュッと力強く握った。
上畑は全身を回転させる。
今まで以上に
上畑『行くアルヨー!! 』
そのままその加速で回転しながら水井に向けて突進。
そして中華包丁を振る。
上畑『"鬆"、"丁"』
畳み掛ける様にさらに連撃
上畑『兎の様に"兎耳"、馬の様に"馬耳"』
水井はそのスピードに逃げ切れない。
上畑『とどめアル!! "食祭典"』
血塗れの水井に馬乗りになり中華包丁を構える。
上畑『フゥ...流石に降参したらどうアルカ!? もう私は勝利の美酒を飲みたいアル!!』
上畑が笑いながら水井に言う。
水井も血塗れの顔で答える。
水井『フフッ...私の血はいつ見ても美しい。 でもキサマの散り様を見るのはさらに最高だよ!!』
そう言うと上畑の首が宙に舞った。
上畑の背後には鎌から血をした垂らして微笑む水井が立っていた。




