第29話 一瞬の出来事
殺戮VS復讐の試合が今開始する。
山畑『それでは試合開始っ!!』
しかし、川下は刀をだらんと下ろしたままその場から動かない。
大島もそれをまじまじと見る。
大島『あれ? まさかビビってるぅう!?』
煽る様に川下に言うが、全く動かない。
大島は頭をグシャグシャと掻きむしり出す。
大島『無視すんなやぁあ!! お前も殺してやるぅう!!』
大島『"寄生箘(パラサイト·ジャーム)"』
大島の頭部から緑色の無数の箘が川下に向けて飛び散る。
大島『この箘がお前に寄生して体内の細胞を破壊する!! その細胞を吸収して俺はもっと強くなるんだぁあ!!』
川下に無数の箘が付着した。
大島はニタニタと笑っている。
しかし川下に付着した箘は煙を上げながら消滅して行く。
大島『!? はぁ? 意味分かんねぇ...何しやがったキサマ(カワシタ)!?』
川下は如何せん無言を貫く。
大島は川下にイライラしている。
大島『舐め腐りやがってぇえ!! "過激腐食箘(ラジカル·ロットジャーム)"』
大島の足下からは腐食した液体が川下目掛け這って行く。
大島『この腐食箘に触れたら最後だ!! 足下から徐々に腐って行く。 その無言もいつまで続くかな!?』
川下は迫ってくる腐食箘を眺める。
川下『プシュー(マスクからの煙の音)』
だらんと下ろした刀を垂直に振り上げた。
その瞬間、一瞬にして床を這う腐食箘を切り刻む。
しかし、腐食箘はバラバラになりながらも川下目掛け迫る。
大島『無駄だ腐食箘は何をされても消滅しない!! お前を腐食させるまではなぁあ!!』
続ける様に大島が攻撃する。
大島『嘆いて膝ま付け!! "親殺しのパラドックス"!!』
無数の箘が川下を取り囲む様に頭上に現れた。
大島『死ねぇえ!!』
大島の声と共に腐食箘と頭上の箘が川下を包み込む。
会場がざわめく。
大島『いいねぇこの悲鳴!! ...ってアレ!? 何これ!?』
なんと、大島の胴体と下半身が真っ二つに分断されていたのだ。
誰も気付かなかった...。
既に川下によって自身が斬られていた事に...
川下はその一瞬で大島の目の前まで移動しその刀で大島を一刀両断していた。
観客も誰1人として見えなかったのだ。
大島『どういう事!? 意味分からないんだけど!? なぁ説明してくれよ!?』
川下は何も言わず大島の首を切り取った。
そして空中で回転する大島の頭部を跡形もなく切り刻み試合は終了した。
川下『...プシュー(マスクからの煙の音)』
山畑『...しっ...試合終了!! Bブロック 2回戦勝者、川下選手ー!!』
観客は無言で唾を飲み込んだ。
誰1人何が起こったのか分からない。
ほんの一瞬で試合が決まっていたのだから。
一体、この男何者なのか!?




