第26話 休戦
コロシアムはここまでの戦いで次の戦いを直ぐに行えず一時休戦で床の復旧が関係者で行われている。
山畑『只今、床の修復作業を関係者で早急に行っておりますので暫くお待ち下さい。』
そう山畑からアナウンスがされた。
観客は出入口が崩されている為に会場に留まるしかない。
そして負傷した者含め選手は各控え室にて待機や処置を受ける事になった。
試合で戦死は関係者によって回収された。
中に残った決闘因子を抜き取る為だ。
そして、その頃
Aブロック 1回戦でかなりの重症を負った下原も西丸達によって緊急手術が行われていた。
かなりの損傷であっても実験体なので修復は可能。
西丸『これは結構派手にやられたねぇ...まぁ決闘因子は無事だったから私にとっては安心安心!!』
不気味に笑いながら西丸は手を動かしている。
そして西丸はそっと何かを下原の決闘因子と調合した。
西丸『これでコイツ(モトハラ)の体はどうなるか楽しみだねぇ!! 更なる興奮を私に見せてくれよぉお!!』
決闘因子を調合するのは関係者間では禁止事項であり、西丸はそれを知っておりながら下原にそれを施したのだ。
西丸『どうなろうが勝って決闘因子を私に渡せばいいんだよ!! ムフフフフッ...』
流石の防護服の護衛達もその狂喜の顔に唾を飲み込んだ。
そして西丸は暫く手を動かすと
西丸『さてと...こんなもんかな!! 後は目が覚めてからのお楽しみだ!!』
そう言うと実験室からゆっくりと下原を眺めてから出て行った。
それから数時間が経ち、下原は何かの異変と同時に目覚めた。
突然の嘔吐、全身が破裂しそうな激痛、自分の知らない誰かの記憶の一片が駆け回る。
ただのたうち回る様に下原は悶絶。
自分の身に何が起こっているのかなど考える余裕もない程に胸が苦しく、今にも死んでしまうのではないかと感じらる程に...
そして下原は白目を剥き、意識が失くなった。
そして場所は変わり平頭は敗退した為、控え室にて暴れない様に拘束されていた。
またこのまま死を待つだけになってしまったが東谷に助けられた命と死んでいった者の償いとして無言のままそれに抗う事なく沈黙し続ける。
控え室では試合中継は見る事は許されているが他の試合に興味はない。
ただ東谷の試合だけはこの目に焼き付けて置きたい。
この自分を倒し助けた救世主の試合だけはこの目で...




